この遠くの人をモデルに熊本や北海道、沖縄でもテレビ局ができ、アナウンサーが次々と生まれました。皆さん熊本に住んでいながら標準語が本当に上手です。なんでも専門学校でしっかり標準語を勉強してきたらしい。・・、と、こう書くと批判?と思われるか知れませんが、そうではなくこういう人たちの仕事はしっかりあってしかり、で、OKですが、地域の人間くさい集まりや交流、イノシシ鍋やシカの刺身をご馳走に語り合う場を伝えるには余りにも似つかわしくないでしょう。そこにはやっぱり地域の日頃の語りがそのまま出てくるような話しっぷりを期待するし、その弁士がいるからこそより引き立つ話やその話の深い意味合いも伝わってくるものです。
ここに関してはそれを誰が話すかどうかの前に、テレビには話題にさえならないという場合が多い。先日、兵庫県佐用町で行われたケーブルテレビ番組の公開収録はまさにこういう光景が1時間と飲み会が延々と続き、とうとう朝まで夜なべ談義がつづいた。そしてうれしいことにわが熊本の秘境山江村と似たもの同志といっていほど似たような身体(からだ)つきと、はなっしっぷりの人たちがワンサカ集まってくださった。
気候はもう随分暖かくなっていますが、会場は本当に温かい空気に満ちていました。まだまだ日頃はテレビで遠くを見ていることが多いであろう佐用町の皆さんが、足元というか、自分達の足元をしっかりテレビジョンで捉えた日でした。この公開収録はまもなく佐用町のケーブルテレビで放送されますが、すでにこの4月から佐用町ではこういう放送が普通になってきています。
見てみないとわからないでしょうが(今のところは佐用町だけの放送ですからね)、本当に地元の人たちが中心になって企画、制作している番組です。今回のはゲストとして山江村から村長と松本さんが来ていますが、通常は地元の人間が司会し、出演し、撮影から編集までぜーーんぶ、本当に丸ごとやってしまっている番組で、とうとう日本にこういう番組が日常的に登場する町が登場しました。
CATVの研究者さんはここを知らないと「もぐり」だ、といわれるようになるかもしれない。いやきっとなるでしょう。総務省だって、ICT事業といって各地に様々な手法を模索していますが、一度はこの地に足をおろしておかないと、ICT事業の本質を頭だけで捉えてもわからないということになっていくのではないでしょうか。関わっているからいうのですが(はっきりしていたほうが良いと思うのです)、この佐用の取り組みはまだ知られていませんが、大きなうねりになること、間違いないと思います。
17年前からテレビの使い方を提唱し、熊本をスタートに全国を行脚して、共に創ってきた私が本当にそう感じています・・・。やはり一緒に創って行くことが大事です。住民と行政、議員さん、ちょっと大きい行政(都道府県や国)、応援団、企業、NPO、・・・、皆さんが一人一人になると、家に帰って普段着に着替えると思い出されているかもしれませんが「ひとりの住民」ですから、誰だって。
(ちなみに写真は佐用町の天文台にある世界最大の「公開望遠鏡」なゆた)
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