そして早くにこのルールを伝えておかないとひとたびどこかで遠慮や気遣いがはじまると先に進まないのです。当のプロデューサーが遠慮してスタッフに仕事をふれない場合はプロデューサーが自分で垣根を設けているようなものです。いかに早くこの垣根を取っ払い、スタッフのみんなが自分の出来る範囲の仕事を把握してくれてその守備範囲の中ではおもいっきり楽しんでもらえるような責任態勢を創れるかです。その代わり主催者はスタッフが喜んで自主的に動いてくださるような面白いイベントにしなければならないし、ある種の生涯教育的な参加の意義を提案できるかどうかにかかってくるとおもいます。要は参加する人が面白かったり意義を見いだせるから自主的にやろうと動くイベントであるかどうかです。
都合のいい時だけ手伝ってもらい、自分が忙しい時は指示が全く出来ないのは「仕事」になってしまっているからです。仕事になるのは自分が嫌なことでも、時間的な負担が大きいことでもしなければそのイベントが完遂できなくてその作業を誰かがやらなければならないからです。そこをやる人はそれは仕事です。それをやることがより大きな意義を見いだす仕事につながることがわかっているからです。
しかし全部が全部そういう仕事なら他の人達が気楽に楽しんで参加する余地はきっとないはずですからこれは新しい恊働のイベントにはなりません。元々自主性が生かされないイベントは協力者を募ることは無理です。様々な立場の人が自主的に参加、参画できる仕組みのイベントを総合プロデュースすることが今回のような地域イベントに求められます。
今回は杉並のイベントでしたのでアクション・リサーチという個人事業主であり杉並TVの主催者、高橋明子さんが総合プロデューサーでした。想像以上にご苦労されたようでしたし、子育ての中での仕事でしたのでここで話していることのバランスがなかなかうまくとれなかったと感じます。しかし、非常に貴重で大きい経験だったのではないかとおもいます。高橋さんのような社会で仕事するお母さんの登場が新しい地域活動の主役になると感じていますので高橋さん自身が気軽に楽しくできるようなやり方を見いだしてもらえればそのことがノウハウそのものになると感じます。
(写真は食堂に入り込んで取材する高橋さん)
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