風呂場へ案内する明子が、耕一の目の前を歩いている。
薄暗い廊下を歩く明子の身体から、若い女の匂いがした。
耕一は、明子を後ろから抱きしめたい衝動に駆られた。
抱きついて、むしゃぶりつきたい衝動に駆られた。
その時、
「耕一さん、こちらですよ」
と、明子が振り向いた。
ハッと我に返った耕一は、下を向いたまま脱衣所に入り、黙って着ているものを脱ぎ始めた。
明子が浴室で、風呂の湯加減をみている。
《明子になんと声をかけたらいいんだろう・・・・》
《いや、声などかけたらいけないのだろうか・・・・》
《俺はどうしたらいいんだ・・・・・・》
耕一は狂おしい思いで、自問自答しながら裸になってしまった。
「ちょうど良い湯加減ですよ。タオルはこちらにーーー」
と言いかけた明子の目の前に、全裸になった耕一は立っていた。
まさに、まさしく立ってしまっていたのだ。
耕一はどうしていいか分からない。
明子も目のやり場に困って動揺したようであったが、そんな時、女は度胸が座るものらしい。
「背中を流しますから湯船につかってください・・・・」
下を向いたまま静かにそう言うと、明子も着ているものをそっと脱ぎ始めた。
耕一は、もうどうして良いか分からない。
湯船に頭からもぐり込んだ。
その湯船に、熱くほてった若い女の身体が入ってきた。
それからは、耕一は明子のなすがままとなった。
明子は23歳。耕一より7歳年上だった。
弟のような耕一の若い身体を、明子は大事な宝物を扱うように丁寧に洗った。
耕一の処女航海は、めくるめく官能の悦びの航海となった。
気仙沼の章はこれで終わりです。
きゃ~!なんて、
ちょっと恥ずかしくなってしまって・・・(笑)
昔の男女はストレートでしたね。
それにしても明子さん、
ずい分積極的でしたねぇ。
耕一さん、めでたしめでたしで良かったです。
今度はどこの港に行くのでしょうね。
つくづくと、もう一度あの頃に戻りたいと思います。
上手い語り口で、グイグイ引っ張って
来られました。
フッ?23歳の若い明子さん、なかなか
積極的ですね。こう書くと20歳で結婚
したあなたは如何なんだ・と言われそう。
それより、お嘆き召さるるな。
歳を重ねた今日のほうが、ずっと楽
しい気分ですよ!
きっと夏雪草さんも?!そう答えられ
るように思うのですが・・・。
次を楽しみにしております。
以前の貴女のブログで、学生時代に反戦歌を歌っておられたと書かれておられ、その時の若々しいお写真も拝見しました。とても活発な青春時代だったんだろうなと想像しております。
その後、20年間もの間の極貧生活に耐えられ、人生の試練を乗り越えられて、大事なものを覚知されたと知りました。
人生の大先輩の貴女のお言葉を心に留め、枯れることなく、煩悩の炎を燃やし続けて行きたいと思います。