クロの里山生活

愛犬クロの目を通して描く千葉の里山暮らしの日々

モスクワの初夜

2014-06-30 07:41:37 | 日記

(貴婦人)

 

ご主人様が初めて飛行機に乗り、初めて海外渡航してモスクワへ行ったのは39年前の24歳の時だった。

3月末のモスクワ・シェレメーチェボ国際空港は雪と氷の中にあった。

モスクワに着いたその夜、職場の人達が歓迎会を開いてくれた。

場所はプラハ・レストランというチェコスロバキア料理の高級レストランだった。

レストランへ入って行くと、店内は既にかなりの盛り上がりであった。

楽団(バンドというよりは楽団という雰囲気)が盛んにダンス音楽を演奏している。

店内中央のダンスフロアーでは既に多くのカップルがダンスを楽しんでいる。

ご主人様一行がテーブルに着いて食事を始めると、なんとそのテーブルの周りでもダンスが始まった。

ご主人様はそんなロシア人カップル達の賑やかなというか騒々しいダンス(フォークダンスのようなコサックダンスのような日本のレストランなどでは絶対踊らないダンス!)を眺めつつ、テーブルの上に所狭しと並べられたチェコ料理(ロシア料理に似ている)を、隣の上司に勧められるまま食べていたが、時差(日本との時差は6時間で現地時間は既に午前1時過ぎ)の影響で次第に頭の思考回路が鈍くなってきた。

おまけに歓迎の杯ということで、世にも名高いあのウオッカを数杯飲まされた。お酒に弱いご主人様はそれまでお酒をあまり飲んだことが無かったのだが、その日は主賓であるから「スミマセン、もうムリです、ゴメンナサイ!」などと弱音を吐くわけにはいかない。

ところが、ウオッカを飲んで頭がクラクラしてきたそんなご主人様の所に、一人の太ったおばさんが寄って来てささやいたのだ。

「宜しかったら、私とダンスを踊って下さいませんこと」

ご主人様はそれまでレストランでダンスなどというものを踊ったことはない。ましてやあのようなわけの分からないダンスなど踊れるはずがない。

断ろうとしてその太ったおばさんの顔を良く見ると、なんと鼻の下に薄く鼻ひげが生えているではないか。その鼻ひげのおばさんが、ニコニコしながら顔と身体を寄せてくる。

ウブなご主人様はパニックに陥りながら、助けを求めるように隣の上司の顔を見た。

「ここでは、女性に誘われたら断ってはならない。大変な失礼に当たる。しっかりとリードするのが紳士の務めである。さあ早くお相手して差し上げなさい」

などと言って、ワインの入った大きなグラスを美味しそうに傾けている。

ご主人様は観念してフラフラと立ち上がり、そしてその鼻ひげの婦人にリードされながらダンスを踊り始めたのであった。

 ご主人様の運命や如何に!

 

続く・・・・・・・。 

 

 

 

 

 

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ロシアのマトリョーシカ

2014-06-28 17:43:48 | 日記

 

(雨に咲く庭のアジサイ)

 

今日は朝から雨模様。

ご主人様は家の中で片付け物をしている。

おやおや、なにか珍しい物を見つけたようです。

「やー、懐かしいな・・・・。マトリョーシカじゃないか」

 

40年程前、ご主人様がソ連(現在のロシア)のモスクワで働いていた時にお土産で買ってきたものだ。

このマトリョーシカ人形は、日本のコケシを真似して作り始めたという説が有力だが、中から次々と小さいものが出てくるコケシ人形は日本にあるのだろうか・・・・。見たことも聞いた事もないが・・・・。

いずれにしても、ロシアはご主人様にとって、誠に懐かしい国である。

血湧き肉踊る(?)24歳の青年が、初めて訪れた国がロシアであった。ロシアは日本と同様、世界の人々から「神秘的でミステリアスで不思議な国」と、昔から見られているが、確かにご主人様が体験したその国はミステリアスで不思議な国であった。

3年間のソ連生活は、毎日が未知との遭遇と言っても過言ではないほどの、刺激的な日々であった。

毎日、面白おかしいストーリーが身の回りで展開されるのである。

中から新しい人形が次々と現れるこのマトリョーシカのように・・・・・・。

 

続く・・・・・・・・。

 

 

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高速バスの中で聴く歌は・・・

2014-06-26 22:48:45 | 日記

(ヒマラヤの蜂蜜)

 

話を少し前に戻す。

殿に会うために、ご主人様は君津バスターミナルから高速バスに乗り東京へ向かった。

この日はだいぶ疲れがたまっていたようで、本を読む気力が出てこない。

こんな時はアイパッドにインプットした歌を聴くのが良い。

さて、殿に会いに行く時に聴く歌は何が良いか・・・・・

「高校三年生」ではだめだ。テンションが上がらない。

歌のリストを眺めていたご主人様の目に留まったのは、中島みゆきの「地上の星」だった。

「そうだこの歌だ、この歌でなければダメだ」

イヤホンをしたご主人様の耳に、あのイントロが流れてきた。

ご主人様の背筋に鳥肌が立つ。

そして脳みそが溶け始める。

魂を揺り動かさずにはおかないその歌を、2回、3回と聴いた。

 

次にご主人様が選曲したのは、「昭和枯れススキ」であった。

何故この歌なのか?

冬の寒い夜に、デンバーの場末の韓国カラオケレストランで、殿はこの歌を熱唱していたのだ。

これほど切ない歌はない、と、ご主人様はその時思った。

切ない人生を歩んできた男が、一人しみじみ唄う歌はこれ以外ない、と、思った。

その男が、今、世界巡礼の旅を続けている。

タイ、フィリピン、ミャンマー、バングラデッシュ・・・・・・

 

それにしても・・・・、とご主人様は考えている。

日本人はどうしてこんな切ない歌が好きなのか・・・・。

おそらくアメリカ人はこんな切ない歌は唄わないだろう。

日本人はその切なさを楽しんでいるのかもしれない。

その切なさに酔いながら人生に耐え、そして頑張ってしまうのである。

そんな不可思議なニッポン人が不思議な国ニッポンを造っている。

 

そんなことをツラツラと考えているうちに、高速バスは東京駅に着いていた。

 

 

 

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ヒマラヤの幻の蜂蜜

2014-06-26 15:29:55 | 日記

(奇跡のカボチャ君が笑顔の花を咲かせた)

 

数日前、殿(コロラドの合気道の先生)の側近S氏から連絡があった。

「今、殿はバングラデッシュにいるが、幻の蜂蜜を入手したらしい。帰路、日本に立ち寄る予定であり、その際、貴兄にその蜂蜜を渡したいと言っているので、東京に出て来れるか?」

ご主人様は思い出した。

この2月に殿のお供でネパール旅行をした際に、お土産に何を買うかという話になった。

以前、テレビの番組で、ネパール山岳地帯(ヒマラヤ山系)で取れる蜂蜜がとても美味しいというレポートを見たのを思い出し、「どこかに蜂蜜は売っていないだろうか?」と、ご主人様は殿に聞いてみた。

その時見たテレビでは、現地の男達が断崖絶壁をよじのぼり、命がけで蜂の巣を取ってくる様子を映し出しており、それはかなり貴重な物のようであったが、どこかで売っていれば良い土産になるはずだ。

「ここの蜂蜜はとても貴重なもので、土産屋には売っていないが、彼らなら手に入れることが出来るだろう。何しろ山岳地帯で毎日トレーニングしているのだから」

と、自分の世話をしているレンジャー部隊の隊員達を眺めながら、事も無げに殿はつぶやいた。

その話はそれで終わり、ネパールのお土産は紅茶やカレー粉などを買うこととなり、「ヒマラヤの蜂蜜」は幻で終わるものとご主人様は思っていた。

ところが、その幻の蜂蜜を殿は今回のバングラデッシュ巡礼の旅(?)で入手したという。

ネパールのレンジャー部隊の隊長が、バングラデッシュにいる殿の元にヒマラヤの蜂蜜を届けに来たと言う。

 

そんなわけで、昨日の夕方、ご主人様は急遽君津からの高速バスに乗って東京へ向かったのであった。

殿が常宿にしている上野のホテルへ駆けつけると、笑顔の殿が待っていた。

「ほれ、これだよ。ビンに入っているから割らないように気を付けて持って行ってくれよ」

と、幻の蜂蜜が入った2本のビンを差し出した。

(現地の新聞紙に包まれた蜂蜜のビン)

 

その晩は、上野界隈の鮮魚居酒屋で、殿とその側近S氏と共に美味しい魚貝海鮮料理をたらふく食べて楽しい一夜を過ごした。

(大賑わいの浜小屋風の鮮魚居酒屋)

 

続く・・・・・・・。

 

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源頼朝通過伝説

2014-06-24 13:00:53 | 日記

(田んぼの土手に咲く白百合)

 

昨日、市役所の女性職員からご主人様に突然電話がかかってきた。

先日、峰上出張所で定期検診の結果報告を頂いた女人からである。

ご主人様は「何事か!」と色めき立ったが、

「頼朝伝説の資料が見つかったので、出張所の方へ送ってあります。都合に良い時に取りに行って下さい」

との連絡であった。

ご主人様は忘れかけていたが、そう言えばあの時、出張所窓口の優しそうな女性職員に、

「地元の頼朝伝説を調べているんですが、市の方で適当な資料はありませんか?」

と、ダメもとで聞いてみたのだった。

ご主人様はこれまで、市民センターの図書閲覧室や君津中央図書館、更には木更津駅前の書店等で、「頼朝伝説の本は無いか?」と尋ねていたのであるが、いずれも「そのような本はありません」との返事だった。

従って、そのような資料が出てくるとはほとんど期待はしていなかったのだが、それが見つかったというではないか!

朝から中庭の芝の雑草取りをしていたご主人様は、勇躍歓喜して出張所へ車を走らせたのだった。

そして窓口の親切な女性職員から手渡されたのが、この資料である。

中嶋美夫氏編による 「房総における源頼朝通過伝説」という手書き資料である。

市の担当(生涯学習課文化係)の方は12枚からなるB4版のこの資料を、コピーして送って下さったのである。

誠に有難いことであります。

同資料の作成月日は昭和58年2月26日となっているので、今から30年ほど前に編纂されたものだ。

中嶋氏がまだご存命ならば一度お会いしてお話をお聞きしたいと、ご主人様は念願している。

さて、この里山の頼朝伝説や如何に!

 

続く・・・・・・。

 

 

 

 

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