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大津市の園児死亡事故

2019-05-22 11:59:10 | 時事問題

 

保育園児が2名死亡した大津の直進車と右折車の衝突事故

この事故は直進車がクラクションを鳴らすことで防げた!

永井津記夫

 

  5月8日に起こった大津の園児死亡事故に関連して、私は12日にツイッターで次のように発信した。

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2日前、横道からオートバイが飛び出そうとしているのを見て、私はクラクションを鳴らすと同時にブレーキを力いっぱい踏んだ。私の車は若い男の乗ったオートバイの手前80cmくらいで止まった。オートバイもブレーキをかけたようで車が走り抜けても接触しない距離、車から30cmほど横に止まって 

いた。間一髪で衝突事故を避けた。私は運転するとき、前方に注意をむけているが、横道などから飛び出す子どもや自転車やバイク・車にも注意し動いていればクラクションを鳴らすようにしている。クラクションを鳴らすことで150万kmほどの通算走行で事故を防げた思うことが5回ほどある。

2回は止まっている私の車の前を横切り道路を横断しようする子どもが対向車線から来る車を見ないで渡ろうとしたので、すぐ近くに来ている対向車に向けて思いきりクラクションを鳴らした。車は子どもに軽く接触したがケガはなかった。運転手は子どもの無事を確認し私に頭を下げて車を出した。

大津の園児死亡事故も、私なら動いている右折車にクラクションを鳴らす。漫然と車を右折させようとしていたのなら、それでブレーキをかけるはずだ。大津の事故は直進車には罪はないが、事故を未然に防げたかもしれない方法はある。米国のタクシー運転手が30年間無事故の秘訣を聞かれて、

「私以外はみな頭が変だと思って運転している」と答えたそうである。車の運転は他のドライバーを信用しないと恐くてできないが、交差点などでは自分の信号が青でも常に赤信号を無視して飛び出す車もあると考えて運転する必要がある。

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  以上が私のツイートである。“ツイート”は1ツイート140文字という制限があり、連続ツイートもあまり長くなるとフォロワーが読んでくれないおそれもあるので、私は最長でも5~6ツイートに収まるようにしている。  

  上記のツイートで「クラクションを鳴らすことで通算150万キロほどの走行距離の中で事故が防げたと思うことが5回ほどあった」と述べているが、ツイートの記述のためかなり端折って表現している。正確に言うと、“クラクションを鳴らすことで大きな事故になる可能性のある状況を克服したのが5~6回、小さな事故になるのを防いだのが10回近くある”ということである。相手がクラクションを鳴らしてくれたおかげで事故にならずに済んだと思う状況が2回ある(52年間通算走行距離約150万キロの中で)。

  クラクションを鳴らすのは、所定の場所と緊急の時以外は使用してはならないことになっているが、私は自分が緊急だと判断した場合、必ずクラクションを鳴らすことにしている。それで上に書いたように二度、対向車線の車が子どもをはねて(おそらく)大ケガをさすのを防いだことがある。

  ③の状況を正確に言うと、JR阪和線の踏切で電車が通り過ぎたあと、踏切から30メートルくらいの距離にいる私の車は前の車がまだ動き出さないため停車中である。私の車の前を(いわゆる子どもではなく)17、8歳の少女(目鼻立ちのはっきりした色白の美人であったが、視点が定まらず心ここにあらずの状態のように見えた)が道路を横切ろうとし対向車が来ているのを確認もせず反対車線側に一歩踏み出そうとした。踏切を渡った最初のトラックが加速をしている。私は躊躇することなくトラックに向かって思い切りクラクションを鳴らした。運転手は異常に気づいてブレーキをかけ、2トントラックの先端部が少女の左腕に軽く当たって止まった。トラック運転手は降車して少女に声を掛けたが少女は逃げるようにそのまま立ち去った。彼は私に頭を下げて(後続車がつかえていることもあり)トラックを発進した。もし、私がクラクションを鳴らさず、このトラック運転手のブレーキが遅れていたら少女は大ケガをしていたか、最悪、道路に頭を激しく打ち付けて死亡していた可能性が多少はある。

  5月8日の大津の事故、右折車が直進車の側面にぶつかり、コントロールを失った直進車が信号待ちをしていた保育園児の集団につっこみ、2名を死亡させ十数名に負傷させた事故は私に言わせれば“クラクション”を鳴らすことで防ぐことができた事故(その可能性の高い事故)である。

  もちろん、法的には前の右折車に続いて漫然と右折をしようとした車が“悪い”のであるが、直進車も私から見れば不注意であり“下手くそ”である。

  右折車の運転手の証言「前をよく見ていなかった」は、直進車優先の原則から右折車が悪いという結論になり、それは間違ってはいないのであるが、私の目からは直進車にも“不適切な対応=事故を避けるための最善というより当然の努力を欠いていること”がある。

  私がこの直進車ならどうするか。事故の原因となった右折車の直前に右折車があり、その車に続いて事故を起こす原因の右折車が続いたという状況である。ということは、直進車には事故の直前に右折した車が見えていたはずである。私はこのような場合この右折車にクラクションを鳴らす。続く右折車も動いているならなおさらである。もちろん、足をアクセルから離し、ブレーキの上に置き、ブレーキランプが点くようにして後続車に注意を喚起する。実際に踏むかどうかは右折車の動向をみて決める。クラクションは右折車に向けて鳴らしているのであるが、同時に後続車に向けても急ブレーキをかける可能性を知らせているのだ。急ブレーキをかけた場合、後続車に追突されてかえって危険な場合もある。

  これだけの対応を直進車がしていれば、右折車の運転手がよほど精神状態がおかしくないかぎり事故は未然にふせげたはずである。たしかに、人間だれしも“ぼやっと”している空白の瞬間はあり得る。その時のクラクションが事故を防ぐ。

  不必要なクラクションは鳴らしてはいけないが、事故を防ぐための有効なクラクションは鳴らす必要がある。ただし、本当に間一髪の時にはクラクションを鳴らさずブレーキだけを踏むべきだ。というより、クラクションを鳴らす余裕はない。

  52年間の運転歴において四輪車でいかなる事故も起こしたことはない(ただし、交差点で止まっている私の車に追突されたことが一度ある。また、若いころオートバイ「ホンダCB72(250cc)」に乗っていて、雨の降り始めの砂のある路面などで滑って4回ほど横滑り状態で倒れ擦過傷を負ったことがある。この時、後ろからトラックでも来ていたら今このブログを書く私はいない)。今回の大津市の園児死亡事故に関連して、あるテレビのアナウンサーが(だれから聞いたのか)「事故を防ぐ重要な要素は“反射神経”です」と言っていたが、その“反射神経”を使う前の“判断力”の方が重要である。ブレーキを踏んで間一髪で事故を避けるより、クラクションを鳴らして相手の注意を喚起してそれで事故を防げるならそれに越したことはない。私に言わせれば重要度の割合は“判断力(+それに伴う対処処置)”7割、“反射神経”3割である。

   私は免許取りたてのころ、「はっ」と思ったら、ブレーキに足が行くようにイメージトレーニングをした。また、赤い色を見たら足がブレーキに行くようにイメージトレーニングしていた。実戦(道路走行)において事故を未然に防ぎ非常に役に立った。この足の移動イメージトレーニングは自動車教習所などでは教えていないし、運転技術関連の本にも載っていない、車の走行時に欠くことのできない“反射神経”のトレーニング法である。

  現在、運転していて一番気になる(恐怖を感じる)他のドライバーの欠点は道路の左側(運的席の反対側の)に寄せる技術がないことである。帰宅する道は道路幅5mくらいでセンターラインは引かれていないが私の車が近づいているのに車を左に寄せず(私が頭の中で作りだした)センターラインを大きくはみ出して、下手をするとすれ違う直前に私の車を基準にして左に寄せるドライバー(老若男女問わない)が大半である。本当に怖い。これは、センターラインをイメージで作り出せないことと左に寄せる技術が乏しいことに起因していると思う。

  センターラインに右側タイヤをのせる技術は、実際にセンターラインのある道路で練習するか、路面電車が走っていれば右側タイヤを線路に乗せて走れば感覚を身につけられる。これが運転中の右足を線路(ライン)に乗せている感覚となれば成功である。左側の感覚も左側タイヤを線路かラインに乗せて走れば磨くことができる。それと、左側に段ボール箱などを並べて車の左側が段ボール箱にぎりぎり接触する位置関係を把握する。

  自動車教習所で右側タイヤを(センター)ラインに乗せて走る練習と左側タイヤを左端のラインに乗せて走る練習を取り入れるべきであろう。この練習をすれば狭い道で対向車に恐怖を与える、ぎりぎりまでセンターラインをはみ出して走る(下手な)運転はなくなるはずである。

  運転技術等に関して少し付け加えておきたい。

  2016年1月15日碓氷峠バイパスのゆるやかな下り坂での軽井沢スキーバス転落事故(運転手2人、乗客39人中15人が死亡)についても述べておきたい。「大型バスの運転は自信がない」と言っていた運転手が制限速度50キロの下り坂の道路を100キロくらいのスピードで走行し道路の右側のガードレールを突き破って3メートル下の崖の斜面に転落した。

  この事故に関して、当時いろいろとテレビなどで現役バス運転手や評論家等がコメントをしていたが、肝心の運転技術をコメントする人がいなかったように思う。カーレースなどで使われる「スローイン・ファーストアウト」の技術である。“カーブ手前(の直線部分)で十分に減速し、加速しながらカーブを出る”テクニックのことである。大型トラックやバスの場合はカーブで少し加速した方が向心力を生み出し車体が安定する。カーブの手前で十二分に減速すれば、やや加速しながらカーブを抜け出てもそれほど大きなスピードの増加にはならない、というより減速分を取り戻せばよいのでスピードは上がらない。とくに、荷物を積んだ大型トラックの場合(乗客を多数乗せているバスも同じ)、やや加速(レースのようにできるだけ速く抜け出すという意味ではなく、ほんの少し加速してという意味である)してカーブを抜けるテクニックを使わないと荷物が遠心力で(カーブの外側方向に)片寄ってしまって危険な状態になる。事故を起こしたドライバーはこのテクニックを欠いていたのだ。下り坂の速度増加に対して減速するためにブレーキを頻繁に使いすぎ、エアーブレーキの“空気”を浪費し、結果としてブレーキの制動力を失い、下り坂でバスにスピードがつきすぎて制御不能となってしまった。スローインの原則を知っていれば繁雑にブレーキを使う必要はなくバスが制御不能になることはなかったはずだ。スローイン・ファーストアウトのテクニックは一般ドライバーも知っておいて山道などで使いこなすべき知識であると思う。

  私が車を運転していて非常に恐いのは自転車の無灯火運転である。これは明らかな法律違反であるが、警察の対応は甘い、というより取りしまる意志がない。飲酒運転の取り締まりは時々最寄りの駅から自宅までの範囲の道路でもやっているが、自転車の無灯火や反対側車線の走行(つまり、逆走)の取り締まりは見たことがない。が、自転車の無灯火や逆送は非常に危険だし死亡事故に至らなくてもかなりの事故を引き起こしているはずである。飲酒運転の摘発もけっこうだが(金になるためか?)、自転車の無灯火や逆送も飲酒運転と同じくらいか、それ以上に危険だ。

  運転についてまだ述べたいことはあるが、これくらいに止めておきたい。 (2019年5月22日記)

 

(※注) 今は家族との関係でオートチック車に乗っているが、4年前までミッション車に乗っていた。オートマチック車の欠点は坂などを(車庫入れなどの場合)バックで上がるとき、半クラッチが使えずスピードの微妙な調整ができないことである。

  私は運転する場合、前方に80%(正面30%、左30、右20)、後方に20%くらいの注意を向けている。後方も注意しないと危ないことがある(走行しながら視線を前方からそらさず後方を見るにはドアーミラーよりフェンダーミラーの方がよい。なぜ、外国に合わせてドアミラーを許したのか)。後ろに車間距離もとらずについてくる車もあり、交差点の直前で黄色信号になったからといってこちらが急に止まると後ろから追突される可能性がある。私は、クラクションを鳴らして(後ろの車に警告して)停車するか、そのまま走り抜けるか判断している。後ろが大型トラックなどの場合は(追突されるのがイヤで)そのまま走り抜ける場合が多い。私が走り抜けた場合、後の車の10台中8台は(大阪の車であるが)私の車の後についてくる(クラクションは少なくとも2種類ほしい。普通のものと、やさしく歩行者に注意を促すものである。できれば、後続車に対して有効なクラクションがあればさらによい)。

  今あおり運転をする悪質ドライバーが問題になっているが(あおり運転はしてはならないことである)、高速道路の場合は右は追い越し車線であり、二車線の高速道路であれば原則的に追い越しが終われば左側車線にもどらなければならない。が、普通の道路と同じ感覚で追い越し車線を左側の車と並走している車がある。これは止めて欲しいし、違法である。