今年もクリスマスシーズンに突入した
今年も連れてってね
電飾ストリートかい?いいよ
クリスチャンでもないのに電飾を飾っている人たちがいる
そんな人たちが住む町を僕は電飾ストリートと呼んでいる
イヴの日 おあつらえ向きに雪が積もっていた
通りの両側にはトナカイやサンタ 雪だるま
そして家の屋根まで電飾をかけて夜ともなると電気の家が浮き上がる
きみは 大はしゃぎで僕に雪をかけてくる
ねえ ロマンチックね やっぱりクリスマスはここに決まりね
僕は別のことを考えてた
電飾を施していない家がぽつんとあった
窓越しに小さなクリスマスツリーがあり
子ども達がその周りではしゃいでいた
人に見せるための電飾などせずに
家族でクリスマスを楽しむ
一般的なクリスマスだ
ねえ 来年は僕の部屋でやろうよ
いやよ クリスマスは派手なのがいいの
君は聞く耳を持たない
いいかい クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日なんだ
クリスチャンでもない人がこんなきらきら飾り立てて
派手さを競い合うなんて僕には本末転倒に思える
もう来年はこないよ
僕たちは電飾ストリートを歩き回ったあと家路についた
送っていった彼女の家の前で彼女は言った
確かにあなたの言うとうりね
来年は私達の部屋でやりましょう
特大のクリスマスツリー買ってきてね
私達?聞き逃しそうになったが それは確かにプロポーズだった