自民党たばこ議員連盟会長 野田たけし会長の
元秘書ふじきひさと かくせいざい使用などで逃走中
たばこ議連 の報道
たばこ議連が反発、混迷する受動喫煙防止対策
所管の厚生労働省と神経戦
日経ビジネス庄子 育子 記者2017年3月21日
当てが外れた厚労省の調整力
なぜ、ここまでこじれたのか。どうやら最大の要因は嫌煙家の塩崎恭久厚労相が強硬姿勢を崩さなかったことにあるようだ。今や日本の成人の8割以上は非喫煙者。また、国民の大半は原則屋内禁煙に賛成していることが多くの調査から示唆されている。それなら法案を審議する自民党厚労部会で、厚労省の法改正案は支持されるはずと塩崎氏は信じて疑わなかった。その誤解が対応を後手に回らせることになる。
16年秋公表の厚労省の当初案は年明けの自民党厚労部会で「たたきのめされた」(厚労省幹部)ため、塩崎氏は事務方に妥協点を探って調整するよう指示した。ただし、「中身を安易に緩和しないように」とくぎを刺してきたという。それで出来上がってきたのが、3月1日の修正案だ。ところが、この修正案も自民たばこ議連から「ノー」が突きつけられ、対案を出されるに至った。
自民たばこ議連は現在、同党の全国会議員414人のうち、
衆参約280人もの国会議員が所属しているとされる一大勢力。役員は、
野田会長を筆頭に、麻生太郎財務相や伊吹文明元衆院議長など
党の重鎮がずらりと並ぶ。
「そうした声の大きな人たちと対立する重大案件を抱えている場合、大臣自らが先頭に立って調整に当たるというのが、本来、政治の常とう手段」。さる政府関係者はこう語る。だが、塩崎氏は基本的に利害調整や政治的根回しを得意としない。いや、そうしたやり方を好まないと言った方が正確かもしれない。いずれにせよ、それが今の結果につながったとも言える。
このままではらちが明かないため、官邸主導で受動喫煙対策の決着が図られる可能性もあるが、「今のところ官邸は様子見」(前述の政府関係者)だ。ただ、厚労省内部からは、「議連の対案があまりにひどい内容だったため、官邸が動いてくれるはず」と“敵失”に期待する声も上がる。ともあれ、混迷からの脱却に時間がかかればかかるほど、日本のたばこ対策は世界に後れを取るだけだ。
(日経ビジネス2017年3月20日号より転載)
元秘書ふじきひさと かくせいざい使用などで逃走中
たばこ議連 の報道
たばこ議連が反発、混迷する受動喫煙防止対策
所管の厚生労働省と神経戦
日経ビジネス庄子 育子 記者2017年3月21日
当てが外れた厚労省の調整力
なぜ、ここまでこじれたのか。どうやら最大の要因は嫌煙家の塩崎恭久厚労相が強硬姿勢を崩さなかったことにあるようだ。今や日本の成人の8割以上は非喫煙者。また、国民の大半は原則屋内禁煙に賛成していることが多くの調査から示唆されている。それなら法案を審議する自民党厚労部会で、厚労省の法改正案は支持されるはずと塩崎氏は信じて疑わなかった。その誤解が対応を後手に回らせることになる。
16年秋公表の厚労省の当初案は年明けの自民党厚労部会で「たたきのめされた」(厚労省幹部)ため、塩崎氏は事務方に妥協点を探って調整するよう指示した。ただし、「中身を安易に緩和しないように」とくぎを刺してきたという。それで出来上がってきたのが、3月1日の修正案だ。ところが、この修正案も自民たばこ議連から「ノー」が突きつけられ、対案を出されるに至った。
自民たばこ議連は現在、同党の全国会議員414人のうち、
衆参約280人もの国会議員が所属しているとされる一大勢力。役員は、
野田会長を筆頭に、麻生太郎財務相や伊吹文明元衆院議長など
党の重鎮がずらりと並ぶ。
「そうした声の大きな人たちと対立する重大案件を抱えている場合、大臣自らが先頭に立って調整に当たるというのが、本来、政治の常とう手段」。さる政府関係者はこう語る。だが、塩崎氏は基本的に利害調整や政治的根回しを得意としない。いや、そうしたやり方を好まないと言った方が正確かもしれない。いずれにせよ、それが今の結果につながったとも言える。
このままではらちが明かないため、官邸主導で受動喫煙対策の決着が図られる可能性もあるが、「今のところ官邸は様子見」(前述の政府関係者)だ。ただ、厚労省内部からは、「議連の対案があまりにひどい内容だったため、官邸が動いてくれるはず」と“敵失”に期待する声も上がる。ともあれ、混迷からの脱却に時間がかかればかかるほど、日本のたばこ対策は世界に後れを取るだけだ。
(日経ビジネス2017年3月20日号より転載)