「人生最悪の痛み」=患者は増加傾向へ
時事通信より
体の左右のどちらかに赤い斑点と水膨れが帯のように現れ、痛みを感じるのが帯状疱疹(ほうしん)
◇患者は年間約50万人
帯状疱疹は年間、約50万人が発症するといわれ、男性より女性が多く、60歳前後によく発症する。
香川県や宮崎県などにおける研究や調査によると、水痘(水ぼうそう)が流行すると、帯状疱疹の患者が減る。水痘患者が減る夏の時期には、帯状疱疹が増えるという逆比例の関係にある。水痘と帯状疱疹のウイルスは同じだ。
このウイルスは初感染後に水痘を引き起こした後も、長期間、神経節に潜伏し、加齢などにより免疫力が低下すると帯状疱疹を発症させる。
◇数百例の診療から
数百例の診療に当たってきた獨協医科大学医学部の山口重樹主任教授は「帯状疱疹の痛みは強く、長引く可能性がある」と話す。
同大医学部では、初診の患者に対しては問診に約1時間をかける。チェックするのは、「痛みの強さ」や「生活への障害」「抑うつと不安」「自己肯定感」などだ。
例えば、「痛みの強さ」については、10段階で評価する。山口教授は「国際疼痛学会の定義によると、痛みは心身ともに影響を与え、生活の質(QOL)を著しく悪化させる」と指摘する。
◇「焼け付く」「電気が走る」
さらに怖いのは、「帯状疱疹後神経痛」だ。山口教授は「皮膚の症状が落ち着いても、神経の痛みに移行する。病気の様相が変わることがこの病気の特徴だ。簡単に言えば、皮膚の症状が消えたのにもかかわらず、痛みが消えないことだ」と指摘する。
「針でさされるような痛みがある」
「電気が走るような痛みがある」
「焼け付くような痛みがある」
「頭が割れるように痛む」
「しびれの強い痛みがある」
「衣服が擦れたり、冷たい風にあったりするだけで痛みが走る」
◇激しいかゆみ
帯状疱疹後神経痛について山口教授は「皮膚の下の神経が障害を受けている」とし、「痛みという『訴え』に耳を傾けてほしい」と言う。
加えて、厄介な症状がある。それが帯状疱疹後掻痒(そうよう)と呼ばれる激しいかゆみだ。「掻痒は患者にとっては大変うっとうしい。ある意味で痛みの一種とも言える。顔面に多く見られ、女性に多い」と山口教授。帯状疱疹に対する理解をさらに広めたい、と言う。(鈴木豊)
時事通信より
体の左右のどちらかに赤い斑点と水膨れが帯のように現れ、痛みを感じるのが帯状疱疹(ほうしん)
◇患者は年間約50万人
帯状疱疹は年間、約50万人が発症するといわれ、男性より女性が多く、60歳前後によく発症する。
香川県や宮崎県などにおける研究や調査によると、水痘(水ぼうそう)が流行すると、帯状疱疹の患者が減る。水痘患者が減る夏の時期には、帯状疱疹が増えるという逆比例の関係にある。水痘と帯状疱疹のウイルスは同じだ。
このウイルスは初感染後に水痘を引き起こした後も、長期間、神経節に潜伏し、加齢などにより免疫力が低下すると帯状疱疹を発症させる。
◇数百例の診療から
数百例の診療に当たってきた獨協医科大学医学部の山口重樹主任教授は「帯状疱疹の痛みは強く、長引く可能性がある」と話す。
同大医学部では、初診の患者に対しては問診に約1時間をかける。チェックするのは、「痛みの強さ」や「生活への障害」「抑うつと不安」「自己肯定感」などだ。
例えば、「痛みの強さ」については、10段階で評価する。山口教授は「国際疼痛学会の定義によると、痛みは心身ともに影響を与え、生活の質(QOL)を著しく悪化させる」と指摘する。
◇「焼け付く」「電気が走る」
さらに怖いのは、「帯状疱疹後神経痛」だ。山口教授は「皮膚の症状が落ち着いても、神経の痛みに移行する。病気の様相が変わることがこの病気の特徴だ。簡単に言えば、皮膚の症状が消えたのにもかかわらず、痛みが消えないことだ」と指摘する。
「針でさされるような痛みがある」
「電気が走るような痛みがある」
「焼け付くような痛みがある」
「頭が割れるように痛む」
「しびれの強い痛みがある」
「衣服が擦れたり、冷たい風にあったりするだけで痛みが走る」
◇激しいかゆみ
帯状疱疹後神経痛について山口教授は「皮膚の下の神経が障害を受けている」とし、「痛みという『訴え』に耳を傾けてほしい」と言う。
加えて、厄介な症状がある。それが帯状疱疹後掻痒(そうよう)と呼ばれる激しいかゆみだ。「掻痒は患者にとっては大変うっとうしい。ある意味で痛みの一種とも言える。顔面に多く見られ、女性に多い」と山口教授。帯状疱疹に対する理解をさらに広めたい、と言う。(鈴木豊)