【日本アカデミー賞】『悪人』が今年最多5冠 妻夫木&深津が最優秀主演W受賞オリコン 2月18日(金)23時0分配信
映画『悪人』の妻夫木聡(左)と深津絵里がそろって最優秀賞を獲得 (C)ORICON DD inc.
日本アカデミー賞協会による『2011(第34回)日本アカデミー賞』の授賞式が18日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われ、映画『悪人』に出演した深津絵里が最優秀主演女優賞、妻夫木聡が最優秀主演男優賞を同時受賞した。妻夫木は、前年の最優秀主演女優賞者・松たか子から名前を読み上げるや感涙。「本当に嬉しいです。自分が12年間役者をやってきた中で全身全霊を注いで演じた作品。クセがないと言われて悩んだ時期もあったし、自分らしさってなんだろうと自問しながら、自分を信じてやってきた集大成の作品で受賞できた」と声を震わせた。
そんな妻夫木を見て、もらい泣きしていた深津も最優秀主演女優賞を受賞。「まだ実感ない。ここまで喜べる日は、もう来るとは思えないほどです。楽な撮影ではなかったですけど、いまだと喜びで全てが吹っ飛んでしまった感じですね」。ともに作品を作り上げた李相日監督に向け「ギリギリまで追い込んでくれる監督には出会ったことなかったので、貴重な体験ができた。監督がお芝居をしっかり見ていてくださったからこそ、もらうことができた賞です」と感謝を示した。
深津は、司会のタレント・関根勤から「私生活が謎。趣味は何ですか?」と聞かれると、「19歳の時、山田洋次監督のオーディションを受けたことがあって、その時も趣味を聞かれたんですが、“ない”と答えたら、そこで会話が終わってしまいまして、オーディションも落ちたことがありました」。会場が笑いに包まれるなか、『おとうと』で優秀作品賞、優秀監督賞を受賞し、授賞式に出席していた山田監督は「覚えていないんですが、大変申し訳ないことをした。僕は大失敗しましたね」と苦笑いしていた。
“助演”も『悪人』が制した。最優秀助演女優賞の樹木希林は「役者には定年がなくてありがたい。いまは青天の霹靂(へきれき)といった感じです。ありがとうございました」。最優秀助演男優賞の柄本明は「俳優やっておりますが、賞を頂くのはそういう作品に巡り合わなければ頂けない。素晴らしい脚本、共演者、監督、スタッフの巡り会わせがある。(李相日監督は)しつこい監督でございました。本当にしつこい監督でございました。そういう監督の存在を待ち望んでいた僕がいました」と語り、拍手を浴びていた。
『悪人』は音楽家の久石譲も最優秀音楽賞を受賞し、今年最多の5冠に輝いた。
※ジジイのたわごと
女優の深津絵里は、昨年「モントリオール世界映画祭」で映画「悪人」における「最優秀女優賞」を受賞した。その事をインターネットで知って、映画「悪人」を見に行ったのである。殺人事件にまつわるストーリーだが、登場人物の誰が悪人なのか観客の判断次第だという趣の映画だったと記憶してる。それに、脇役陣が樹木希林、柄本明のベテランとなれば、映画が更に引き立つ。映画は総合芸術と言われるだけあって、主役だけでなく、脇役も大事な役割を担ってるようである。
見た映画が、このように受賞すると気分が良くなる。どこかの映画館で「悪人」が再上映されれば、再度見に出かけるだろう。