美の五色 bino_gosiki ~ 美しい空間,モノ,コトをリスペクト

展覧会,美術,お寺,行事,遺産,観光スポット 美しい理由を背景,歴史,人間模様からブログします

京都の春は下鴨神社の流し雛から_3/3にお内裏様とお雛様が登場

2019年02月17日 | 祭・行事・季節の花

節分やバレンタインデーといった2月の風物詩が過ぎて行くと、関心は早くも春に向かってしまいます。まだ寒い日も続きますが、春の早い訪れを祈って3/3に京都・下鴨神社で行われる「流し雛(ながしびな)」をご紹介したいと思います。

  • お内裏様・お雛様や舞妓など、雅な衣装の人たちが雛を流す光景は京都に春の訪れを感じさせる
  • 雛流しは一般参加ができることも人気の秘訣
  • 糺の森(ただすのもり)の清らかな水の流れが、流し雛の優美さを盛り上げる


京都の「流し雛」は、松尾大社など他でも行われますが下鴨神社が圧倒的に有名です。みたらし団子をほおばる人でも一杯になります。



ひな祭りは、五節句の中で2番目に訪れる上巳(じょうし)の節句、3月3日を祝う行事です。平安時代に貴族階級が行っていたと考えられていますが、定着したのは江戸時代になってからです。

上巳の節句は桃の節句とも呼ばれて女の子の節句に、5月5日の端午の節句が男の子の節句に定着したのも江戸時代からです。桃の節句と呼ばれるのは桃の花が咲く季節にあたるためです。旧暦では現代より約1か月後の4月上旬の季節に行われていました。

流し雛はひな祭りの原型になった儀式と考えられており、お祓いをした人形を水に流すことで身を清め、災厄除けを祈ったものです。ひな人形にも人の身代わりとなって災厄を受け止めるという意味があります。


会場の御手洗池付近

下鴨神社の3月3日は朝早くから賑わいます。流し雛神事は11:00からスタートしますが、写真撮影しやすいベストポジションを確保する人や、100名限定の無料流し雛を求める人たちが続々押しかけます。11:00が近づくにつれ、会場の御手洗池付近は黒山だかりの人になります。後方からでは雛が流れる様子を見たり、写真撮影することはほぼできなくなります。

10:30から会場の御手洗池(井上社)のすぐ近くにある橋殿(はしどの)で、お雛様に十二単を着付ける様子を見ることができます。こちらはさほど混雑しませんのでじっくりと見ることができます。金屏風を背に飾られたひな人形も絶好の撮影対象になります。晴れた日には特に輝くように見えます。行事を主宰する京人形商工業協同組合による展示です。


お内裏様とお雛様が揃って神事を受ける

11:00になると主役のお内裏様とお雛様が登場し、神事が始まります。二人が並ぶ席は川の水面より高いところにあるので、この時点では後方からでも何とか様子を確認することができます。黒枠に囲まれた二人の背後の幕のデザインがとても優雅なのが印象的です。

【下鴨神社公式サイトの画像】 会場:御手洗池(井上社)

雛流しは水面近くに下りて行われるため、後方からではほぼ見えません。有料観覧席を設けるようなスペースもないため、やむをえないでしょう。

しかしあきらめてすぐ帰るのではなく、少し待ってみると人は徐々に少なくなっていきます。園児たちや役員が流す姿に限られますが、確認できるかもしれません。また流された雛はすぐに回収されてしまうので、御手洗池すぐ近くの橋殿あたりまでしか流れる様子は見ることができません。南側の糺の森を流れる奈良の小川付近までは流れていきません。



会場の御手洗池からは湧水が出ており、奈良の小川につながっています。とても神聖な佇まいで、葵祭の斎王代禊(みそぎ)の儀など、下鴨神社の数々の重要行事の舞台となる聖地のようなところです。行事が行われていない時に訪れてみるとこの空間の魅力を堪能することができます。行事をあえてはずして訪れるのも、会場の雰囲気や魅力をじっくりと味わえるので乙です。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



下鴨神社に行くとなぜ心が洗われるのか?

________________

下鴨神社
流し雛
【下鴨神社による行事公式サイト】
【京人形商工業協同組合による行事公式サイト】

主催:京人形商工業協同組合
会場:御手洗池(井上社)
会期:毎年3月3日(日付で固定)
開催時間:
流し雛無料配布 10:20~10:30頃(100名限定)
流し雛有料販売 10:30頃~
十二単の着付け 10:30~11:00頃
神事      11:00~11:20頃
雛流し(来賓) 11:20~12:00頃 お内裏様・お雛様、役員、園児、舞妓
雛流し(一般) 12:00~12:30頃

※雨天中止の場合があります。
※スタート時間は当日の法要・神事の進行や天候に左右される場合があります。

※写真撮影に最適な最前列を確保するには、目安として神事開始2時間前から待つ必要があります。
※この神社は観光目的で常時公開されています。

下鴨神社
【公式サイト】 http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
開門時間:6:30~17:00



◆おすすめ交通機関◆

京阪電車「出町柳」駅下車、5番出口から徒歩15分
叡山電鉄「出町柳」駅下車、徒歩15分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:45分
京都駅→JR奈良線→東福寺駅→京阪電車→出町柳駅

【公式サイト】 アクセス案内

※京都駅から直行するバスもありますが、鉄道を乗り継ぐ方が、時間が早くて正確です。
※この施設には有料の駐車場があります。
※道路の狭さ、駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


________________

→ 「美の五色」とは ~特徴と主催者について
→ 「美の五色」 サイトポリシー
→ 「美の五色」ジャンル別ページ 索引 Portal


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界一の”記憶”の表現_大阪 ... | トップ | 東福寺の”文化財の質”を物語... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

祭・行事・季節の花」カテゴリの最新記事