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奈良 元興寺の節分はとても温かい_2/3 護摩供 火渡り 豆まき!

2019年01月25日 | 祭・行事・季節の花

奈良でも節分は数多くの寺社で行われますが、地元で一二を争う人気なのが、ならまちのど真ん中にある元興寺(がんごうじ)の節分です。

  • 護摩供(ごまく)・火渡り・豆まきと、誰でも参加できる人気の行事が揃っている
  • 地元の蔵元による日本酒の無料の振る舞いも人気
  • 東大寺二月堂や興福寺の節分とはしごする人も少なくない


昔から庶民信仰に支えられた元興寺らしい、とても温かみのある節分です。行事をすぐ近くで見物できることも魅力です。


護摩供の始まり

元興寺は当初飛鳥に創建された日本最古の仏教寺院です。平安時代から広大な境内に少しずつ商工業者が住み着くようになり、現在のならまちが形成されていきます。元興寺は長い間、ならまちの人たちに愛されてきました。

節分会の日は、国宝の本堂の内部は拝観できませんが、境内が無料開放されます。節分会が始まる12:00になると続々人が集まってきます。外国人など観光客に見える人も少なからずいますが、多くは普段着の地元の人のようです。互いに顔見知りのため、あちこちで話の輪ができています。


豊祝のふるまい

地元の蔵元・奈良豊澤酒造が奈良の日本酒ブランドでは著名な「豊祝(ほうしゅく)」を無料でふるまっています。真冬ですので体が実によく温まります。すぐ横には焚火がたかれており、待っている間の寒さを充分にしのぐことができます。

このふるまいを受けるために、クルマでの訪問は避けるべきです。酒をふるまうテーブルにはザルが置かれており、そこに”感謝の気持ち”として硬貨を置いていく人がいます。美しい行いです。

境内のテントでは様々な縁起物が販売されています。

  • 入学・就職を控えた子供を持つ家庭のお守りとして人気の元興神(がごぜ)の絵馬
  • かなえてほしい願い事を書く護摩木、護摩供で燃やしてもらうとかなう
  • 家庭の豆まき用の福豆
  • 火渡りへの申し込み

行事の待ち時間や合間に境内は多くの人手ごった返します。コンパクトな境内がとても活気づきます。


護摩供に点火

13:00になると護摩供が始まります。正式には柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)と呼ばれ、真言宗の当山派修験道の流れをくむ寺でよく行われます。山伏姿の行者が現れ、矢を放ちます。場を清める意味があるのでしょう。魔除けの矢になるため、見物客はキャッチするのに一生懸命です。

続いて護摩に点火されます。最初は壇木の上にのせられた木の葉が燃えるため、白い煙がもうもうと立ち込めます。風下に陣取らないよう注意が必要です。行者は読経を唱え続けるとともに、次々と護摩木を投げ込んでいきます。ものすごい数です。元興寺の節分の人気がうかがえます。

【奈良県観光公式サイトの画像】 火渡り

火渡りは、護摩供で焼けた壇木を道のように並べ、その上を裸足で歩く行事です。厄除・招福のご利益があると信じられており、女性の参加者が目立ちます。普通のスピードで歩く限り、やけどはしないとのこと。



豆まきは、せんとくんらのマスコットや地元の名士、福男・福女によって行われます。元興寺の掛け声は「福は内、鬼も内」です。「鬼は自分の内から出るように」という意味だそうです。

なお今年2019年から、豆まき会場へは元興神絵馬購入者・火渡り秘供修行者しか入場できなくなります。


東大寺二月堂 豆まき


興福寺東金堂 鬼追い式

東大寺二月堂の豆まきは14:00から行われます。元興寺までは徒歩30ほどかかりますが、15:00からの元興寺の豆まきには間に合います。興福寺は、豆まきはありません。東金堂の舞台で19:00から毘沙門天が三匹の鬼を退治する鬼追い式が行われます。冬の夜空の下、幻想的な節分らしい光景を楽しめます。はしごが十分可能なスケジュールです。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



わが家の節分を盛り上げてくれるタペストリー

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元興寺
節分会
【寺による行事公式サイト】
【寺からの節分会に関するお知らせ】 2019年度からの変更点

会期:毎年2月3日(日付で固定)
 法要特別祈願:12:00~12:30頃
 古武道奉納 :12:30~12:40頃
 柴燈大護摩供:13:00~14:00頃
 火渡り秘供 :14:00~14:30頃
 福豆まき  :15:00~15:20頃

※雨天中止の場合があります。
※スタート時間は当日の法要・神事の進行や天候に左右される場合があります。
※節分会当日は境内を無料で拝観できます。

元興寺(真言律宗、奈良市中院町)
【公式サイト】https://gangoji-tera.or.jp/

原則休館日:なし
入館(拝観)受付時間:9:00~16:30



◆おすすめ交通機関◆

近鉄奈良線「近鉄奈良」駅下車、東改札口C出口から徒歩20分

JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:1時間20分
JR大阪駅→JR環状線→鶴橋駅→近鉄奈良線→近鉄奈良駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には無料の駐車場がありますが、節分会開催日は閉鎖されます。
※道路の狭さ、渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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