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京都文化博物館「北野天満宮」展_展示内容がとても充実4/14まで

2019年03月07日 | 美術館・展覧会

京都文化博物館で、北野天満宮の歴史と所蔵美術品を大々的に紹介する展覧会「北野天満宮 信仰と名宝」が行われています。

  • 国宝の北野天神縁起絵巻が登場、ドラマチックな描写や彩色がとても美しい
  • 祭礼や踊り、参拝の図絵も数多く描かれており、一貫して人々の信奉を集めてきた歴史が見渡せる
  • 刀剣以外にも絵画や工芸品など、奉納品の質と量は神社としては最高クラスであることがわかる


北野天満宮にある宝物殿でも並行して展覧会が行われています。北野天満宮が所蔵する明治期の日本画の展示は、宝物殿での展覧会の方が充実しています。梅に続いて桜がやってきます。回遊しましょう。


北野天満宮は梅が見頃

展覧会は7+1の章で構成されており、北野天満宮の歩んできた歴史をきちんと押さえる内容になっています。

  1. 菅原道真 -人として-
  2. 天満宮創建 -北野天神縁起の広がり−
  3. 北野にみる神と仏
  4. 室町時代の北野天満宮
  5. 祭礼と神事
  6. 天満宮改造 -豊臣家と北野天満宮-
  7. 神と結ぶ -奉納品の数々-
  8. 終章 萬燈祭 -永遠の信仰-


【展覧会公式サイト】 ご紹介した作品の画像の一部が掲載されています

第2章で展示される数々の天神縁起絵巻は、この展覧会の最大の目玉でもあります。北野天満宮の至宝でもある国宝の天神縁起絵巻は、制作年代にちなんで承久本(じょうきゅうぼん)と呼ばれます。北野天満宮の縁起を表した絵巻では現存最古の作品で、縦50cm超と一般的な絵巻の2倍ほどの天地の大きさがあります。絵巻は通常、横長の紙を水平方向に連結しますが、承久本は垂直方向に連結しています。

際立つ大きさはもとより、美術的な美しさも際立っています。菅原道真の波乱の生涯を描いた描写は、報道写真の傑作を見ているようにその瞬間を見事な構図で表現しています。彩色もよく残っており、絵具の品質の高さと保存状態の良さが、この作品の扱いが別格であったことをうかがわせます。

北野天満宮の縁起絵巻はとても多数伝わっていることにも驚きます。機会あるごとに著名絵師に描かせる有力な寄進者が、北野天満宮の周囲には居続けたのです。室町時代の土佐光信、江戸時代初めの土佐光起による縁起絵巻も、土佐派らしい王朝的やまと絵的表現が秀逸です。縁起絵巻はぞれぞれ、前後期で場面を入れ替えて展示されます。

【北野天満宮公式サイト】 ご紹介した作品の画像の一部が掲載されています

第3章では、神仏習合時代の北野天満宮の信仰の様子をうかがうことができます。「北野曼荼羅図」は仏様のラインナップを表現した曼荼羅のような構図で境内の俯瞰図を描いています。”曼荼羅”というネーミングが絶妙です。

第6,7章で展示されている、近世の北野天満宮の祭礼や名所を紹介する風俗画も、展覧会の目玉展示と言えます。北野天満宮の周辺が江戸時代初期には、八坂神社の門前の四条河原と並ぶ繁華街だったことがよくわかります。ここに描かれた遊女や踊り子は、現在の門前の花街・上七軒の芸妓・舞妓の大先輩にあたります。

7章では3/19以降の後期展示で海北友松の雲龍図屏風も登場します。神社に雲竜図というのは現代の感覚ではピンと来ないですが、これも神仏習合時代の名残でしょう。



京都文化博物館にとっては地元を代表する神社だけあって、企画にはかなり熱を入れていると感じます。それだけ展示内容は充実しています。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



菅原道真を知るには北野天満宮だけでは不充分

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京都文化博物館
北野天満宮 信仰と名宝 ―天神さんの源流―
【美術館による展覧会公式サイト】

主催:京都府、京都文化博物館、京都新聞、日本経済新聞社、朝日放送テレビ
会場:4F,3F展示室
会期:2019年2月23日(土)〜4月14日(日)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:10:00~17:30(金曜~19:00)

※3/17までの前期展示、3/19以降の後期展示で一部展示作品/場面が入れ替えされます。
※この展覧会は、今後他会場への巡回はありません。
※コレクションの常設展示も並行して行われています。



◆おすすめ交通機関◆

地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅下車、5番出口から徒歩3分
阪急京都線「烏丸」駅下車、16番出口から徒歩7分
京阪電車「三条」駅下車、6番出口から徒歩15分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:15分
京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には駐車場はありません。
※道路の狭さ、渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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