私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

産廃銀座?

2010-07-18 | 10住む・暮らす
40年余りの生活のもろもろを整理し、数カ月かけて家屋は漸くそれ本来の構築物としての姿になった。

その整理分類作業を業者さんにお願いすると、何十万円かの請求書を頂くことになっただろう。

修行か供養をするような気構えで、一人コツコツ整理した。
唯一の協力者で最大の功労者は、この度定価のほぼ半額で購入したKOKUYO製シュレッダーだ。
10年余り使ってきたアイリスオーヤマ製家庭用シュレッダー(モーターが動かなくなってしまって引退)の、サイズも価額も数倍だったが、実に頼もしく、よく働いてくれた。

名簿類や個人情報満載の書類をバッサバッサと処分可能な形状にしてくれる。

ここ数年で最も得心した買い物であり、新しく得た有能な仕事人であった。
大仕事を片づけて一息。
少々大きな体ではあるけれど、大事に長く使ってゆきたいと思っている。

さて、父は「捨てる」という言葉が辞書にない昭和一桁世代で、いろいろと処理の難しい物体も残されていた。

先に書いた耐火金庫もだが、20~30年は経っていようかというペンキやその薄め液であるシンナーなんてものも残されていた。
納屋やベランダ、スレートの屋根あたりを塗ってもらって、残ったペンキ類を職人さんに持ち帰らせず、そのまま手元においていたのだろう。
自分でペンキ塗りなぞする人物ではなかったので、長い間に埃にまみれ容器は腐食が進んでいる。
実に怪しい風体で、容器の割れ目から強烈な臭いを放ち、頭痛までしてくる。
いずれにしても自治体の通常のごみ収集メニューからは、明らかに外れた物体である。

自治体で収集しないゴミの処分先リストに、有害化学物質の処分をしてくれる業者さんがいくつか記載されていて、その中から、いくらか土地勘のありそうな電話番号にダイヤルして連絡をとり、持ち込みの了解を得た。

ネットで所在地を確認して車で出かけてゆく。

産業団地の足元に、車一台漸く通れるような小路がいくつもあって、その道沿いには様々な産業廃棄物処理業者の看板が掲げてある。

コンクリートあり、木材あり、石材あり、化学物質あり。
産廃銀座とでも呼びたいその地域は、歴史を遡れば分限者が幾人も出た由緒ある土地柄だ。

何だか、奇妙な感覚に襲われながら、漸くたどり着いた処理業者の事務所で、実に感じのよい対応を受け、安心して有機溶剤をお預けして来たのだった。
費用は、金庫に比べればわずかな額。
化学物質の分解処理をしていると思われる、作業服姿の従業員の方が実に頼もしくみえた。
コメント
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