テレビ東京系列の放送局がない地方都市で暮らす私が、「孤独のグルメ」という一風変わった仕立てのドラマを初めて見たのは、確か一昨年の年末か翌年始のことだった。
酒は飲めないが食べること大好き人間の私に、性別が違うというだけで、珍しく志向の一致を多く発見するドラマ。
松重豊氏演じる五郎さんの心のつぶやきで進行していく不思議なドラマは、その展開も音楽もどれひとつ違和感がなく好ましい。
地方局の編成では、年末年始の特番だったり、ウィークデーのどっぷり深夜が放送時間だったりするが、運よくその放映に出くわすと、一生懸命デジタル番組表を追っかけて録画をする。
適度に編集して、繰り返し見るのだが、見重ねているうちに、「グルメ」もさることながら「孤独」という感覚がひしひしと迫って来て切ない感覚にとらわれるのだ。
「独り」には慣れっこで、集団のなかで協調性を保ったり、家族と調子を合わせるといったことの方が苦手な私が、「孤独」という言葉にとらわれて、いささか追いつめられるような感覚に陥るのだ。
「孤独のグルメ」を見ているうちに。
特にSeason2のエピソードには、そうした追いこみ方をしてくるものが多かった。
原作の漫画はまだ読んだことがないのだが、存外哲学的なしつらえのものなのかもしれないと思う。
豪快に食べに食べ、瞬間の食の喜びに満たされながら、あふれ出る好ましい心のつぶやきは、抑えようもなく「孤独」を誘い、「孤独」の意味を問いかけてくる。
いささか辛くはあるのだけれど、とにかくお気に入りのドラマであることに変わりはない。
そう、Season4が待ち遠しいのである。