利用者さんは海辺の出身です。近くの海では牡蠣が取れたそうです。利用者さんはすばしっこい人で取るのが得意だったと嬉しそうに話します。ところで海辺によろず屋さんがあって、子どもたちが持ち込むこの牡蠣を買い取ってくれたそうです。
「持って行くと必ず10銭くれるんだよ。ところがね、多くても少なくても10銭なんだよ。今日はこんなにたくさん取れたよと言ってもニコニコしながら10銭しかくれず、でもね、ほんのちょっとしか取れない時も10銭くれるんだよ。母親にそれを渡すと喜んでくれてね。」と仰います。「そのコロの10銭で買えるのはどんなものでしたか?」とお聞きすると、「豆腐が5銭だったよ。貧乏の子沢山で8人兄弟だったからね。」仰ってから、「今みたいに物はなかったけど何の不満もなかったよ。今は贅沢だねえ。」と続けました。
ぶどう園の労務者でしたね。
聖書のマタイ伝にあります。ぶどう園の主人は朝早く市場に出かけてぶどう園で働く労務者を雇い入れました。一日一デナリの約束でした。9時頃にも同じように雇い入れました。お昼頃、3時頃にも雇い入れました。そして5時頃に市場へ行くとまた人たちが立っていました。彼らに言いました。「なぜ、一日中仕事もしないでここに立っているのですか。」彼らは言いました。「誰も雇ってくれないからです。」主人は言いました。「あなたがたも、ぶどう園に行きなさい。」こうして夕方、一日の賃金を払う段になって、主人は最後に雇った人から順に一デナリずつ、払って行きました。朝早くから働いた労務者はもっと貰えると思っていたらやっぱり一デナリでしたので、主人に文句を言いました。
主人が言いました。
「私はあなたに何も不当なことはしていません。一デナリの約束だったではありませんか。自分の取り分を取って帰りなさい。だた、私としては最後の人にもあなたと同じだけ上げたいのです。自分のものを自分の思うようにしてはいけないという法がありますか。」
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