妹の葵の上の器量ときては当代1-2位といってもいい。兄である私が観ても、絵から抜き出たような完璧な美しさだ。おしむらくは知性というか気品かありすぎて、打ち解けにくかったかもしれないが、育ちが皇族なみだからしかたがあるまい。くどいようだが、兄妹という関係はあっても、母はちがうし、それぞれの母方の家で養育されるので、父親が同じだということだけだ。
夫より4歳年上の妹・葵の上は、年上ということに、どことなく引け目を感じ、さらに、自尊心がゆるさなかったかもしれぬ。
普通の女子だったら、そのことがかえって夫婦仲をよくすることになったことだろうが、華よ蝶よとそだった妹は、男を引き立てるという、こころずかいなど必要なく育ってしまった。正直、あまりにも誇り高い女だったかもしれない。
二人のみぞは深くなるばかりで、私も心苦しかった。
あまりにも完璧なものには、拒否反応をおこすのは、光源氏とても同じことだ。
夫より4歳年上の妹・葵の上は、年上ということに、どことなく引け目を感じ、さらに、自尊心がゆるさなかったかもしれぬ。
普通の女子だったら、そのことがかえって夫婦仲をよくすることになったことだろうが、華よ蝶よとそだった妹は、男を引き立てるという、こころずかいなど必要なく育ってしまった。正直、あまりにも誇り高い女だったかもしれない。
二人のみぞは深くなるばかりで、私も心苦しかった。
あまりにも完璧なものには、拒否反応をおこすのは、光源氏とても同じことだ。