棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

18-棚からぼた餅-神無月

2008-01-27 10:32:58 | Weblog
豊作祝いのお供え物がたっぷりとあがり、ご機嫌な福の神の祠に、厄事計画書を背負った厄病神がヨタヨタとやってきました。
福の神は、お供え物をあわてて隠し
「これはこれは、お忙しいところをわざわざお越しいただき。
今年も出雲に行かれるなんて、うらやましいことです。
それにしても、ずいぶんとおやつれで・・・。」

「ろくに寝てーいねぇんだ。頭がクラクラするが、会合に出席しておかねーと何をいわれるかわかったもんじゃーねー。
あんたは毎日ノー天気で・・。それにしても、運動不足とちがうか」
厄病神の落ち込んだ目は、まるで深い穴ぼこからナニカがみているような、薄気味悪さがあります。

「イエイエ、私だって村に悪いやつが入り込まないように見張っています。
このごろは、祠も壊れ身動きもできません」
祠の中で団子のように座っている福の神です。

あきれたもんだ。テメーが太ってしまったことも気がつかねーとわ。
計画書を預け、しょんぼりと旅立っていく厄病神でした。


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