棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

22-棚からぼた餅-

2008-02-01 11:22:06 | Weblog
厄病神は背中にすきま風がさすと、フット福の神を思い出しました。
「どうしようもねーヤツだが、祠がなくなってどーしているズラ。
まてまて、あいつのことなんかカマッテいられねーが・・。
エーもうしょうがねー」
と、立ちあがったのでございます。

「オイッ! 福の神! どこにいるんだ! デテコイ!!」
木枯らしなんぞ吹き飛ばしてしまいそうな大声に、
枯れ草の塊からはじき飛ばされたように、出てきた福の神。
「どどどどーしたんです。わわわわたしはなにもしていません。
助けてください」
それだけ言うと、空気の抜けた風船のようになってしまいました。

「腰ショぬかすこたーねーじゃねーか。
なにもとって食おうてーわけじゃねー。
枯れッパにくるまってるなんて、まるでねずみだ。
与太郎のボロ家だがここよりゃましだ。ついてこい!」
有無を言わせない、厄病神。

「ややや厄病神ドンと一緒にいられるなんて、こころずよい。
へーー本当にありがとうございます」
厄病神のあとを、丸々とした体で、チョコマカ踊るようについていった福の神でした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿