第2話「縁側の住人~花咲客人と軸がブレて7回転8転び半屈折~の巻」
縁側の住人は
あの日
あの日とは
ポールニューマン追悼で
「まだらキンセンカにあらわれるるガンマ線の影響」
見聞以来
縁あって居着いてしまった客人と
暮らし始めたが
とりあえず
西の翼縁を自らの場所とし
客人には
東の翼縁を使って貰うことにした
とはいうものの
西も東も南も北も
なんら変わった所はなく
全て縁側なのだが
肝座りの景石が
十分の十
苔土に埋まった
中庭を囲むように
四方四角に縁側が
縁々と
つながっている
今度リホームする時は
中庭の肝座り石に向かって
蝸牛のような
螺旋縁側に造り変えようか
などと考えている
縁側の住人である
そんな
縁だけで出来た奇妙なサブ空間だけの家をメインに暮らし
縁あって居着いた客人と
今日も
日向ぼっこ な
毒にも 薬にもならぬ
無駄話に花さかじじいな感であります
『冬季オリンピック始まりましたね』と客人
『え?陶器オリンピックが始まったって?』
『ええ始まりました』
『ふうん…やっぱりあれは土が重要でしょう。で、登り窯で競うわけ?』
『そうそう三日三晩、窯の前で番をして…
ちゃうがな!土じゃなく雪と氷の世界でしょ!』
『ありがとう。のりつっこみ♪ 氷の世界!井上陽水ですな!そりゃ』
『揚水路じゃ 滑れませんよ!』
『傘が無いから?』
『リンクじゃないからです!!』
『リンクフリーなブログですか?これ』
『・・・・。』
『どうかされましたか客人?』
『なんか~も~う・・お腹が減りました。』
『そろそろお昼ですからな、なにか食べます課にいきます可』
『昨日の残りのおでんでも食べましょう』
『今回のおでんは一番だしの素とあごだしに、朱だしをまぜて
三瀬鳥のダシもあいまって絶品に美味でしたな』
『ああた 自画自賛はほどほどに ですよ』
『おでんといえば大根!冬大根は今のウチに沢山食べておかねば
すぐにすかすかの春が来ますからね』
といいつつ
縁側の隠し取手をクルリと回し
かぱっと縁板をもちあげて
鍋の載ったコンロを
引き上げ火をつけた
『冬でいこん春でいこん味しみてうましでぃこんどら』
『でぃこんどらって花を春に縁側に沿って
植えてみませんか縁取りの縁取りに』
『どうぞお好きに…あれは地被ですから花は咲かないでしょ?
話は戻りますが、高橋四回転いけますか?』
『背筋力の勝負ですな』
『そうそう0,7秒に四回転まわるわけですからすごいです』
『話がかみ合いましたね』
『フランスのジュベール選手の四回転の秘密をやっていましたね』
『そうそこで背筋力のすごさを分析して、飛ぶ高さもですが
回る間の姿勢が重要だと言ってましたな』
『飛んで 回って 回って 回って 回わ~る』
『まどかひろしはいりません!』
『軸がぶれたら回れないとか 言ってました』
『軸 と 香炉…。』
『にく と ころ…。』
『おでんに もどりますか…。』
『ところで話は軸がぶれますが、最近の日本のドラマはどう思います?』
『どうって どうってこと?』
『たとえば、「まっすぐな男」に「曲げられない女」に「泣かないと決めた日」
それにNHKの「龍馬伝」にしたって、とにかくどんなに困難がまち受けていよう
と、まっすぐに進んで行け!というわけでしょ…いやはや、天の邪鬼で自称寄り
道評論家としては、こういう世の中は暮らしにくいです』
『素直とかまっすぐとか曲げられないとかいうのは
柔軟性がないと言うことでしょう。』
『そうですよ、ぽっきり折れたり、突っ走って海に落ちたり、
崖から墜ちたりするよって、言ってみたいわけです』
『それで、結果。「きみたちに明日はない」(これもNHK)って言われた日にゃ、
日本の行く末は真っ暗闇じゃあごさんせんか・・ねぇ?座頭の市っつぁん!』
『ああた!タイトル並べてみたかっただけでしょ?』
『違います~違う!本当に世相を映すのがドラマですから』
『だいたい人間は曲がりくねってなんぼですからね。』
『ええ、屈折すればするほど人間に近付くんですよ!
まっすぐであればあるほど非人間的になっていく・・・それがわかっていて
まっすぐに行こうなんて!』
『ふん。蛇の道はヘビィで邪道です』
『いまいちな 落ちに落ち着きましたね 市さん』
『おれたちゃ なあ~』
『裏街道でなく縁側ですけど』
『まあそうですけど』
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