RURUのひとりごっち

「博多にわか」な「独り言」と「ごちそうさま」を鍋に放り込んでなんだか煮てみたら・・・ひとりごっちが生まれました。

夕闇に燃える菜殻火の頃

2006-10-04 15:26:34 | おすすめ
失われた日本の風景はいろいろあると思うが、一度見てみたかった風景として
筑紫野「菜殻火」(ながらび)がある、筑紫野の春は昭和20年頃まで一面が
菜の花畑だったらしい、筑紫平野は菜種油の生産地で、春一面の黄色い絨緞が
広がり梅雨前に刈り入れ積み上げ、振り棒で菜種の実を叩き落し、実を採った後
の殻を梅雨前にいっせいに燃やすというのが、「菜殻火」である.
筑紫平野が一望できる都府楼址が、一番の見物場所だったそうです。

夕闇迫るころ殻を焼く炎が大きな火柱になって、いくつもいくつも燃え上がり、
雲も赤く染まり、菜殻の灰がキラキラと天に舞って煙と共に登っていく。
火を愛し絵を描き版画を彫り、子供のように率直であったといわれる俳人がいた
36年前、52歳で亡くなった野見山朱鳥(あすか)という人、この人の俳誌の
名前の一つがこの「菜殻火」だったそう、
ほかにも句集「曼珠沙華」「天馬」「荊冠」「運命」や版画集もあるんだけれど
俳句人としてというより、博多の地の朱という色や火を愛した文人として興味が
ある、彼の本拠地、直方は筑豊炭田の炭鉱町で、炭坑景気のころは傍を流れる
遠賀川の水も赤かったとか、掘り出した石炭を川で洗ったというから、炭塵が
川砂の上に積もり乾くと燃えたりしていたらしく、ここでも火や赤い色の情景が伺える。
「炭坑俳句集・燃ゆる石」というのを編集刊行している。

「地の底にて元旦を嗤いおり」 藤本春秋子
とかね、

朱鳥の句はたくさんすばらしいものがあるのだろうけれど、それより後ろに見える
日本の失われた風景にいたく感じ入ったるるです。

福岡県内には 野見山朱鳥の句碑がいくつかあるが、その中の句では

「火を投げし 如くに雲や 朴(ほう)の花」
が有名だそうです。
わたしがいいなと思ったのは

「炎天を 駆ける天馬に 鞍を置け」
っていうの、なんか心の中の風景を読んでいるから好きだな
俳句とかあまり良く知らないので、何ですが、新鮮な感じがいい。



今日は福岡の話なので、ついでに7月にたまたま新聞で知って、行って来た
福岡市にある田島八幡宮の夏祭りの奉納神楽「田島神楽」の写真を載せときます。
田島神楽は福岡市の無形民族文化財に指定されています。
小さな神社の小さな古いお堂で毎年行われているそうです。
今年は午後6時頃からあったけど、来年行く人は確かめてね。



福岡市唯一の神楽で、明治3年までは旧藩黒田家から、神楽費として米五表が
下賜されていたそうですが、明治維新後神官世襲制の廃止と共に神官神楽が
中止になり、氏子が神楽奉納を継承して、明治4年神楽社が結成され、
今日に至っているとのこと。
神楽の系統にあてはめようとすると「筑前岩戸神楽」と汎称される出雲系神楽です
かっては福岡の各地の神社に40箇所に奉納1975年(昭和50年)ころまでに
累計奉納回数2350余回に達したというからすごい。

今日は福岡ミニ見に情報でした。


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