::: テアトル十瑠 :::

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「ソラリス」再見、鑑賞後記

2007-03-12 | SF
 未見の方はネタバレ注意です。

 今月初めに観たばかりなのに何故? と思われたかも知れませんが、前回はNHK-BS2放送分、今回は特別版DVDです。終盤の展開が掴めてなかったので確認の意味もあってレンタルしてきました。

 借りた途端にまたまた忙しくなったので、早送りの鑑賞となりましたが、即気付いたのが字幕の違い。対訳が微妙に違ってました。

 前回記事の中のストーリー紹介で

>長期戦を覚悟するクリスに、スノーは『君の睡眠時間はいつ頃だ?』と聞く。『君の睡眠中は、僕は部屋の鍵をかけとくよ』・・・。

と書きましたが、この『君の睡眠中は、僕は部屋の鍵をかけとくよ』というスノーの台詞が、レンタルDVDでは『寝る時には、鍵をかけておいた方がよく眠れるよ。』となっていました。BS版は、『(僕なら寝る時は)部屋の鍵をかけるよ。』という意味だったようですが、訳が省略し過ぎで、“クリスが寝ている間には、スノーは自分の部屋の鍵をかけるんだ”と思ってました。英語の台詞をよく聞けば分かったのでしょうが、ぼそぼそとした喋りだったし、誤解してました。

 この、スノーについても本物なのかコピーなのかが私には曖昧でした。
 終盤でスノーの死体が出てきて、その前にレイアのコピーの“再生シーン”があるので死体はスノー本人だと推測出来ますが、アレが冷却室に置いてあるので、いわば仮死状態にあるとも考えられるので、コピーであったとしてもオカシク無い。そんな風にもとりました。レンタルDVDでは、その後のスノーのコピーの説明で死体が本人であることが明白になるのですが、BS版はここも省略し過ぎ。このシーンの対訳の違いもかなりショックでした。

 知人によると、BS2の放送は劇場公開用と同じだろうとのこと。 特別版DVDを観てみると劇場用の字幕はかなり説明不足ですね。

 映画自体はクリスとレイアとの話がメインで、特にコピーのレイアが自身の置かれた状況を少しずつ認識していく過程が面白いので推薦度には変わりはないです。
 “ソラリス”からはコピーに対して何の呼びかけもないと語らせておきながら、何故コピーが少しずつ本人の記憶を取り戻すように描いているのか? 突っ込みたくはなりましたが、それはそれとして謎めいて面白い。

 今回、レンタルついでにタルコフスキー版も手に入れました。ラストの幻想シーンは、タル版ではクリスがソラリスの中に壮大なコピーを見つけるという展開なのに、ソダーバーグ版は幻想のままなのか、タル版と同じ意味合いなのか状況が曖昧です。この辺はタル版の方が(SF的な)理屈にかなっているようですが・・・。

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2 コメント

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すごいね~、研究熱心ね~~! (viva jiji)
2007-03-12 21:46:55
十瑠さん、エライ!
あんたは、エライ!

私、なんぼこの映画スキでもそこまでは、よう“できん”ぞなもし。(笑)

タル版のラストなぞは睡魔との激闘に破れかぶれで「“忘却”は忘れ去ることなり~」って菊田のかずちゃんに言われなくても覚えてましぇ~~ん!(笑)

>それはそれとして謎めいて面白い。

うん、それなのよね~、本作の面白さは。

でもってね(突然、話題の変わるB型癖)(笑)、

“あんた、だ~れ?”じゃなくて~、
「この人、だ~~れだ?」のね、

viva jiji版ね、やろうかなぁ~~~ってね、

春だからね、(ムリクリ、関係づけるもんね)

「すべて傑作は巧みな“模倣”より始まるぅ~~!」

ってね、誰か言わなかったっけ?(笑)

十瑠さん、私、やっても、いい?
・・・見に来てくれる?
・・・もしかして、答えてくれる?
返信する
行きます、行きます!飛びます、飛びます! (十瑠)
2007-03-12 23:28:29
記事を書いた後、ソダーバーグとキャメロンのコメント付バージョンも早送りで観ましたが、本記事中のスノーのコピーの説明シーンは、回想形式に作ることもできたけど役者の巧い演技により台詞で説明することにしたと解説してました。そんな大事なシーンだから字幕も付け直したんでしょうかネェ。

最近、ナターシャ・マケルホーンさんと随分お逢いしたので、他の作品が観たくなりました。

エッ! viva jiji版!?

勿論、来いと言われなくっても参りますが、出かける前から白旗挙げながらポチッとサイトオープンしないといけないでしょうな。
だって、姐さんの情報量は半端じゃないから・・・
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