::: テアトル十瑠 :::

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

旅するジーンズと16歳の夏

2009-03-11 | 青春もの
(2005/ケン・クワピス監督/アンバー・タンブリン、アレクシス・ブレデル、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライヴリー、ジェナ・ボイド/118分)


 マタニティ教室で仲良くなった四人の母親から生まれた四人の女の子。子供の頃から同じ町に住み仲良し四人組だった彼女たちが、16歳の夏、初めて夏休みをバラバラに過ごすことになる。
 ギリシャ移民の子リーナは、祖父母が住む地中海の辺(ほとり)の町へ。プエルトリコ系のカルメンは、離婚して遠くにいる父を訪ね、サッカー選手のブリジットはメキシコに合宿へ。ひとりティビーだけは好きな映画製作をするために町に残る事になった。
 離ればなれになる前に四人は古着屋に寄り、そこで一本のジーンズに出逢う。それは、背格好の違う四人全てにフィットする不思議なジーンズだった。魔法のジーンズとして、四人はソレを夏休みの間に一週間交代で回し着しようと決める。さて、魔法のジーンズは彼女たちにどんな夏休みをプレゼントしたのか・・・。

 古い映画が多いこのブログですが、時々(比較的)新しい21世紀に作られた映画も紹介することにしています。
 「旅するジーンズと16歳の夏」。原題は【THE SISTERHOOD OF THE TRAVELING PANTS】。原作があって、<世界的ベストセラーとなったアン・ブラッシェアーズのヤングアダルト小説『トラベリング・パンツ』>の映画化らしいです。

 おじさん向きではないですな、内容は。しかし、語り口のセンスも良くて、ヒロイン達の性格もチャラチャラして無くて、好感が持てました。ティーンの女の子にはお薦め度【★★★~★★★★】クラスのお気に入りになる作品ではないでしょうか。
 ジーンズを狂言回しに、若者らしい恋愛や、家族、親子、そして友情といったテーマが、四人のエピソードの中で小出しに語られるというスタイルです。

 内気で美人のリーナ(ブレデル)はギリシャでかっこいい漁船の若者と出逢うが、彼が祖父母時代から反目する一家の出だったことから、リーナは彼と逢うことを禁じられる。ロミオとジュリエットのような悲劇にはならず、リーナが内気な殻を破るのがポイントになる。

 冒頭の語り手でもあるカルメン(フェレーラ)は、父と二人で休みを過ごすつもりだったのに、父の家には結婚を控えた子連れの女性が居た。父親はカルメンにも結婚式に出て貰おうと思っているが、カルメンは事前に聞かされていなかった事もショックだし、相手の家族にもなかなか慣れることが出来なかった。父が用意してくれたドレスはサイズが合わず、楽しみにしていた父とのテニスもお預け。ついにカルメンは切れる。

 サッカー好きでスポーツ万能なブリジット(ライヴリー)は、小さい頃から自由奔放。異性に対しても積極的で、男子禁制の合宿ではあったが、これも御法度の男子大学生コーチに恋をしてしまう。母親が精神的な病から数年前に自ら命を絶つという不幸を乗り越えたブリジットだったが、初めての体験は意外にも母を恋しくさせるものだった。

 スーパーでバイトをしながらドキュメンタリー製作に精を出すティビー(タンブリン)の前に、小生意気な小学生が現れる。店で倒れていたのを助けたのが最初で、その後番地が似ていたことから配達違いのジーンズを届けてくれたのも彼女だった。名前はベイリー(ボイド)。
 報酬は要らないからと取材を手伝ってくれるが、何かと口を挟むので時にうんざりすることも。やがて、不思議ちゃん、ベイリーの秘密をティビーが知る日が来る。
 出来上がった映画に、ティビーが名付けたタイトルは『ベイリー』だった。

*

 おじさんの好きなエピソードはティビーの段。ネタバレになるからこれ以上は書きません。
 リーナもギリシャの海の青と建物の白にマッチしたロマンチックな美人で良かった♪

 但し、ジーンズの扱いは全然ファンタジーにはなっていません。ま、最初に着たリーナが海に落っこしちゃったから、魔法も消えたのでしょう(絶対に洗わないという約束があったのに)。




 ブリジット役のブレイク・ライヴリーの最初の印象は、日本の女性タレント木下優樹菜に似ていること。どうやら同い年のようです。四人の中では一番若いのに、一番セクシーな役所でした。

 また、ティビー役のアンバー・タンブリンは、「ウエスト・サイド物語」のラス・タンブリンのお嬢さんとのことでした。

・お薦め度【★★=おじさん的には、悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

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4 コメント

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偶然にも (オカピー)
2009-03-12 02:29:36
十瑠さんがこのケン・クワピスの二本目の日本公開作についてコメントをお書きになっている頃、僕は三本目の「ライセンス・トゥ・ウェディング」を観ていたのでした。

で、本作は二軍クラスのクワピス選手としてはまあまあの成績と思われるのですが、三本目のつまらなさを見ると、原作の力によるところが大きいような気がします。
フィービー・ケイツだのテータム・オニールだのと騒いでいた頃に比べると、エロ気過剰になっていないのが良いですね。

二軍と言えば、まだ寒い時期ということもあるでしょうが、WBCはかなり波乱続きですね。
優勝候補筆頭のドミニカが1次ラウンドで落ちてしまった。オランダが意外に強い。
恐らく日本は、キューバ、韓国、オーストラリアを相手にすることになるでしょう。キューバ、韓国は強いし、意外と嫌なのがオーストラリア。
今回はアメリカに行ければ良いと思っていたので、とりあえず満足なんですが。
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オカピーさん (十瑠)
2009-03-12 07:55:19
>三本目のつまらなさを見ると、原作の力によるところが大きいような気がします。

なるほど。各エピソードの配分とか切り替えのタイミングも良かったし、ショットの編集も良かったですけどねぇ。結局、脚本ですかネ。

WBCは第一回と同じく一次ラウンド2位通過ですから、今度も優勝でしょう
ピッチャー次第というのが呆れるほど結果に顕れた日韓戦でしたね。
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はじめまして (たんぽぽ)
2009-03-22 21:52:07
トラックバックいただいたので、来て見ました。
(別の作品でしたが・・・)
多分、この作品は女性好みなんでしょうね。
私は大好きでした。
ちなみに、続編で「旅するジーンズと19歳の旅立ち」というのもあります。
まあ、なくてもいい続編かもしれませんが、それなりに、こちらも楽しめますよ。
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いらっしゃいませ、たんぽぽさん (十瑠)
2009-03-22 23:16:25
コメントありがとうございます。

『ティーンの女の子は、お気に入りになる作品ではないでしょうか』と書きましたが、奥様でもそうですか。
タンポポさんの記事で、ティビーのエピソードに一番感動したというのは私と同じですね。
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