(1968/フランソワ・トリュフォー監督・共同脚本/ジャンヌ・モロー、ジャン=クロード・ブリアリ、ミシェル・ブーケ、クロード・リッシュ、ミシェル・ロンズデール、ダニエラ・ブーランジェ、シャルル・デネ、アレクサンドラ・スチュワルト/107分)
NHK-BSでトリュフォーの特集をやっていた中の一本。公開時は映画館で洋画を見てない時期で、今回が初見です。
批評家時代からヒッチコックを研究していたトリュフォーのサスペンス・ミステリーで、冒頭で飛び降り自殺をしそうになって母親に止められる女性ジャンヌ・モローが、その後次々と未知の男性を訪ねては殺害していく話。理由はおいおい分かってくるが、二人目の殺人の後くらいから少しずつ明かされていくという本の構成が大変宜しい。
ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の同名小説が原作で、トリュフォーはこの後「暗くなるまでこの恋を(1969)」でも同作家の原作を映画化している。因みに、アイリッシュはヒッチコックの「裏窓(1954)」の原作者でもあります。
一人の女の復讐劇で、殺害方法は単純なモノばかりだが、サスペンスとしては首を傾げたくなる箇所も無くはない。一人目の白昼堂々の犯行と被害者の間抜けさ加減。三人目の不確実な殺害方法。せっかく手袋をしていながら指紋について無頓着な二人目なども気にはなる。
三人目の殺害の後、身代わりで逮捕された女性の無実を証明するために警察に電話するのは良いとしても、その後釈放された女性のショットは余計なような気がしましたな。
俄然面白くなるのは四人目と五人目。予定で四人目だった男は別件で刑務所に入ることになり、五人目の男が繰り上げて殺される。このシークエンスでは最初の殺人の時に顔見知りになった男が現れ、犯人の女性にも危機が迫るようになる。さて、犯人はどう対処していくのか、とサスペンスが増幅してくる。
終盤の展開は伏線の張り具合も面白く、五人目の殺害シーンはカメラワークが72年のヒッチコックの傑作「フレンジー」を思い起こさせました。ヒッチさん、参考にしたのかなぁ?
カメラはラウール・クタール。
観ていて、時々ヒッチさんの匂いがしてきて不思議な感覚に包まれましたが、ヒッチ作品でお馴染みのバーナード・ハーマンの音楽のせいでした。シーンの合間に挿入される、飛行機内や列車内の犯人のショットにもヒッチコックの匂いがしましたな。
モロー姉さんは28年生まれだから、この頃40歳。ちょっと下っ腹も出ているようでしたが、おみ足の美しさは健在でした。子供の頃観た「エヴァの匂い(1962)」や「死刑台のエレベーター(1957)」で、への字口の恐いオバサンのイメージがありましたが、コチラの年のせいでしょうか、魅力的に感じました。観なきゃいかん映画がまた増えちゃったなあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/8a/165113f080b08946893340ffcd135e45.jpg)
批評家時代からヒッチコックを研究していたトリュフォーのサスペンス・ミステリーで、冒頭で飛び降り自殺をしそうになって母親に止められる女性ジャンヌ・モローが、その後次々と未知の男性を訪ねては殺害していく話。理由はおいおい分かってくるが、二人目の殺人の後くらいから少しずつ明かされていくという本の構成が大変宜しい。
ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の同名小説が原作で、トリュフォーはこの後「暗くなるまでこの恋を(1969)」でも同作家の原作を映画化している。因みに、アイリッシュはヒッチコックの「裏窓(1954)」の原作者でもあります。
一人の女の復讐劇で、殺害方法は単純なモノばかりだが、サスペンスとしては首を傾げたくなる箇所も無くはない。一人目の白昼堂々の犯行と被害者の間抜けさ加減。三人目の不確実な殺害方法。せっかく手袋をしていながら指紋について無頓着な二人目なども気にはなる。
三人目の殺害の後、身代わりで逮捕された女性の無実を証明するために警察に電話するのは良いとしても、その後釈放された女性のショットは余計なような気がしましたな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/3e/e1683f4ce7964a7d06d3d03024a50545.jpg)
終盤の展開は伏線の張り具合も面白く、五人目の殺害シーンはカメラワークが72年のヒッチコックの傑作「フレンジー」を思い起こさせました。ヒッチさん、参考にしたのかなぁ?
カメラはラウール・クタール。
観ていて、時々ヒッチさんの匂いがしてきて不思議な感覚に包まれましたが、ヒッチ作品でお馴染みのバーナード・ハーマンの音楽のせいでした。シーンの合間に挿入される、飛行機内や列車内の犯人のショットにもヒッチコックの匂いがしましたな。
モロー姉さんは28年生まれだから、この頃40歳。ちょっと下っ腹も出ているようでしたが、おみ足の美しさは健在でした。子供の頃観た「エヴァの匂い(1962)」や「死刑台のエレベーター(1957)」で、への字口の恐いオバサンのイメージがありましたが、コチラの年のせいでしょうか、魅力的に感じました。観なきゃいかん映画がまた増えちゃったなあ。
・お薦め度【★★★★=ミステリーファンの、友達にも薦めて】 ![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
ヒッチコックへのオマージュがたくさん見られてそれだけでもご馳走様と言いたいくらい。「フレンジー」に影響を与えたとしたら、トリュフォーとしては本懐だったでしょう。確か晩年再会しているはずですので、その辺りの話が出たかもしれないですね。
今回の特集作品は全て録画できました。軽やかなタッチも何度も観ているとジワリとくるものがあって、なかなかですね。
トリュフォーが息子(my son)と同じ2月6日生まれというのも気に入りました。(笑)
ぶーすかさん。
>5番目の殺しに似ているんですねー
えーと・・・、殺し方が似てるんじゃなくて、描き方というか、カメラワークが似てるんです。
「フレンジー」も面白いですよー。
面白いな~~
水瓶座は繊細なマイペース、天才系が多いんですよ。
エヘン!
私も2月生の天才系です。
365分の1で同じなのは、トラボルタに越路吹雪、シビル・シェパード・・・。
ご主人が水瓶座なら、anupamさんも天秤座か双子座ですかな?
でも、このマイペース&天才系は一般的に言われていることなんで・・まあ、天才と○○は紙一枚・・なんでね。
十瑠さんのお誕生日、わかりましたぞ!
私は同じ日生まれはモーツァルトです。
anupamさんは1月生まれですか。
実は家の相方も1月生まれです。残念ながら、山羊座ですが。
ちょっと前にTV「世界不思議発見」でモーツァルトをテーマにしてましたが、あれを観ながら『アマデウス』を思い出しましたね。
チェコ出身のフォアマンがあれを作った背景が分かりました。