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光の中に
月の中に
月の中に
うさぎがいる。
そう感じた月食の夜は、
刻々と変化する月が空にいて
落ち着かなかった。
何度も外に出て、
空を見上げ、
カメラを構える。
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買って4ヶ月の、
LUMIXーGF10。
まだまだ使い慣れないけれど、
沢山撮影した。
上手く撮れていなくても
自分が撮影した写真を観ると
その時を思い出す。
娘と一緒に空を見上げた。
「赤いね、怖いね」
と娘が言った。
感想を伝え合ったよろこびが、月に残る。
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赤い月はひとりで見た。
撮影画像を見て、反省をしながら、
カメラの設定を変えて撮影を試みる。
赤い赤い月。
いつもはやさしい光を
届けてくれていた。
今、赤い月が私の前にあって、
私の後ろ、足元に大きなお大きな
地球がある。
地球にひっついている自分はなんて小さいのだろう。
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明るくなり始めた月は
ベランダから見えた。
月の質感が分かる。
月は硬い。
触るとどうなのかな?
太陽の光が当たりはじめたところは、
温かいのだろうか。
想像の中で、
月を腕の中に抱えてみる。
赤ちゃんのように、
やさしい重さ、心地の良い温かさ。
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いつもの月を観てホッとした。
明るい月の光が心に差し込む。
夜も昼も月はそこにいてくれる。
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明るい明るい
月の光を浴びる。
とても大きく感じた。
大きな大きな月に
包まれた。
この感触、
この心地よさを感じながら、
うさぎは月の中にいる。
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