海の向こうにそびえ立つ。
糸島の可也山へ。
糸島富士と呼ばれるだけの風格。
裾野が広く、
立派で美しい。
山をどう描くか。
大きさ、構図、塗り方。
まず大事なのはどう思うか。
内側にどーんと、この山の存在感が残ってる。
大事な事はしっかりと心に据えよう。
芯を持って、裾野を広げて、
大きな大きな、
この山のような人に。
私の中で、山が生まれ、
育つ姿が見える。
山は動き、
成長し迫り出してくるひとつひとつの峰。
嶺がタコの足のように動き、
木々が隆起する。
山のように奮い立たないといけない。
可也山が良く見える箱島神社。
何か、大切な何かがある。
神聖な雰囲気。
西宮神社のえびす様が祀られていた。
西宮は私の生まれた場所、
商売をしていた祖父の家、
小さい時には良くお参りに行った。
「えびすさん」と呼びながら、
親しんで来た。
ご縁を感じてうれしかった。
おかげさまで、今ここにいます。
潮が引いていて、
島は陸に続いていた。
満ちると、島になる。
また違った姿を見に来たい。
箱島神社から見える可也山。
少し場所を変えるだけで山の表情が変わる。
雲が動き光が動き、
山の色も変わっていく。
神社まで歩いた海岸。
海の波紋、砂の波紋。
続くリズム。
帰りは砂浜がキラキラと光っていた。
何に反射し光っているのか?
細か細かい光の粒たち。
日が沈む前に二見ヶ浦へ。
あっと言う間に沈んで行く。
そして暮れ行く空と海の、色の変化を楽しむ。
薄い桃色、水色、青、緑の美しいグラデーション、
そして落ち着いた青のグラデーション。
日が沈むと、急に白が際立ってくる。
沈む直前の白。
小さな時から、この一瞬の白を見ることに幸せを感じた。
山を観て、海を観て、
あらためて本物を観ることの大切さを実感した。
もっともっと感動しよう。
異常なぐらい感動しよう。
全てのものは形を変え、色を変え、
過去から未来へ変化し続けている。
その一瞬の姿を、
そのエネルギーを描き伝え続けたい。