ビンテージ

　国産ジーンズを支えるのは私が住んでいる近くの町工場です。
藍染め木綿技術を受け継ぎ、高級ジーンズに欠かせないこだわりの素材を世界に出しています。
大量生産は中国生産へと変わり、多くの生産工場はなくなり、現在では、最盛期（７０年代）に比べると１０分の1となりました。残った工場は、未だに古い機械を使って生産しています。
生地は染色した縦糸の間に横糸を通して織りますが、旧式織機（シャトル織機）だと、糸をひく張力にばらつきが生じるため、生地が風合いの良いデコボコ感となり、最初はごわごわ感がきついが、使用することによって自分の体形にジャストフィットするため、ジーンズ大好き人間にはたまらないらしい。
旧式織機のスピードは最新織機に比べ二分の一から四分の一であり。生地幅も最新式に比べ半分であり、生産効率は大変悪いものです。
旧式の織機の場合、生地幅が狭いため、ジーンズを縫製すると生地の端を表す赤い糸が脚の外側ラインの裏地で重なります。これが【セルビッチ】（レッド・タブ）と呼ばれています。これが旧式織機の証であり、こだわりジーンズの証です。
大量生産を急いだアメリカ、その後の大量生産を行う中国では、旧式織機や職人もないため生産でいません。できるのは私が住んでる地方の一部の工場となりました。