神楽

暇人です、文字ウチ書き間違え多、読み返すと内容変わるから読み返さない、読み方は皆様に甘えさせて頂きます。

鳥になった少年[1]

2023-06-02 19:25:00 | 短長編小説
その少年は確かに命を受け生きていた

何処かに有る古いアパートの屋根裏部屋に!?

年齢は?家族は?
それら全て何も知らずに

物心付く前から
何処とも知らぬ場所で・・・生かされていた・・・

[その言葉が正しいのだろうね?]

ココがどこで自分が何者なのか?
何かを知る権利さえも与えられず

少年の世界はその空間が全てだった

自分の事を[おばさん]ッと話す生き物が少年の周りの世話や食事等を持って来る

少年はそのモノが誰なのか知らない

そのモノが自分を[おばさん]ッと音を出すから

少年も[おばさん]に真似て音をだす

少年は自分とおばさんは違う生き物だと思っている

音(声)にしてそれを問(と)う事は無い

問わずとも明らかに違う・・・モノ(体)の形

おばさんのモノ(体)には
自分には無いモノ(体)が存在する

それでも少年は物心付いた時に1度だけおばさんに聞いた

だがおばさんは何も答えをくれなかった

おばさんはいつも少年の事を[坊や]と呼ぶ

なぜ??!おばさんが少年を
[坊や]と呼ぶのか・・・??

[坊や]どういう意味??!

おばさんは何を聞いても必要以上の事は音にしない

少年は生まれて目が開いた瞬間から
そのような世界で生かされていた

だから世間の事など何も知らず
孤独と言う言葉すら知らない

少年が居る世界が全てで屋根裏だと言う事も知らない・・・

外には人間と言う生き物が沢山居る事も知らない・・・・

そもそも家外と言う言葉すら知る術もない・・・・・

ソコに生きるほとんどの生き物は
広い世界を自由と言う言葉で過ごしている事も・・・・

自分もソノ世界に存在している・事実も知らない!??

それでもその世界(屋根裏)でただひとつ好きな物がある

それは部屋の1番高い場所に有る
小さな小さな小窓だった

昼間は明かりが入り小窓の向こうで青や白に灰色
ボツボツ当たる水や白くてフワフワしてる小さな粒?
それに時々動く何かが見える

夜は小窓から形を変えるマルく光る物やキラキラ光る小さな点々が見える

それらの輝きが好きで毎日毎晩窓を見ながら眠る

ソレが少年にとって唯一とも言える大切な時間だった

言葉は・・・音!
時々来るおばさんが話す言葉を
覚えただけだった

だがソレ以外の全てに知識が無く
物の正確な名前すら知らない

けど・・・ソレを変だと考える必要もなかった

だって少年は自分が人間だと言う事すら知らないのだから

なぜそんな事に成っているのか

・・・それは女のエゴだ

女は少年をダレニモ渡さない為に自分以外の全てから隠し

何も教えず現実世界から閉ざしてしまった

だから少年は何も知らないままソノ場所にとどまった

女は・・・屋根裏に自分と少年だけの世界を作った

少年の生きる世界には
少年とおばさん以外誰も存在しない

あまりにも小さな世界だが少年にはソレが全てだった

少年は誰かに望まれ生まれたワケではない

女は娼婦だ客を取り生活資金を稼ぐ

ある朝・女は道端で産気付いた
周りにいた仲間達が手助けして女をを産婆の所へ運だ!?

この世界に生きるモノは
産まれた赤子を売る事はよく有る

女も他の娼婦同様産まれた赤子を売る話しを進めていた

だが産まれた子供を見て全ての者が驚きと戸惑いを隠せずに言った!

「誰かが神父を呼べ!!」

神父はその赤子を見た時
神からの禍のお告げだと言った

他の者達は口々に・・・・
『コレは人間ではない、災いを引き起こす、悪魔の申し子だ!!』

なぜ生まれたばかりの赤子に
その様な酷い言葉を投げ掛けたのか・・・・・・

それは生まれた赤ん坊に手足が・・・・・なかった からだ!!

この村では今まで1度もその様に
人体的に障害を持ち生まれた子を見た事が無い

『殺せ!!禍事の前触れだ』
最初に口にしたのは神父

この時代神父の言葉は
神の言伝てと言われていた

その言葉に逆らう者は異端と言われ村を追われる

女はその日の真夜中
赤子と共に町から消えた・・・・・


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ではまたなのね~(  ̄- ̄)




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