その日が来た
高橋が母(ティア)の遺伝子をマリーの体内へ入れた
俺達がいたモートンが作った小さな研究所が誰かに襲われた
誰が・僅かだが同じ臭いがする血族ヴァンパイア・・・なぜ?!!
もしココにオヤジが居れば絶対認められない行動だった
母は俺が感じた違和感を知っているのだろう・何も言葉にしなかった
俺がテラの生き物の中で眠ったのはイツだ??!
研究所を襲ったモノ達は何かを探している様だったが・・・俺は母に言われた通りに姿を隠した
高橋は母に何かを聞き賊の突入と同時にマリーを連れて逃げ出した
マリーの体内で母は俺を包み込み小さな球体とした
母「エミリオ、あなたをこのまま体外へ出します、エスパー値を抑えロバートの元へ戻りなさい」ッとだけ俺に話したが少しだが納得は出来ない事があった
だが母が何も言葉にしないのは
臭いは同族でも仲間では無いと言う事なのだろうと解釈した
そして今の地上では僅かに感じる同族で有ろうと
敵が存在するのだと理解せざる終えない何かが有るのだろう・・・
俺はソノ時初めて流れた年月の中で・エスパー値を下げろと言った母の言葉の意味を理解した・・・
だから研究所を破壊した賊の事を聞くのを止めた・・・・・
もし奴らが仲間ならワザワザ逃げる必要も無い
全ての理由等はロバートと合流してから聞けば良い事だ・・・
「母さんはどうするの?、一緒に逃げないの??!」
母「私はこのままマリーの身体で クリスの元へ向かいます・・・」
「オヤジがドコに居るのか知ってるなら自分の身体に戻ってからでも・・・目覚め・ない・のか?!、オヤジ・・・捕らわれてる??!、あり得ない話だ!!」
母「違います、でも探さなければいけない気がして・・・だから母はお父様(クリス)と一緒に・・・帰ります、エミリオは早くロバートの元へ帰りなさい」
「解ったよ、でも母さん気を付けて、アイツ等(賊)は、オヤジを・・・」
俺は・ソレ以上の言葉を飲み込んだ
母さんは何の理由も無く言葉を濁す人では無い
だとすれば余程の理由を秘めての事だろうし
聞いても子供である俺達に細かい理由等決して話す人では無い!!
だから俺は何も聞かずに球体として地上へ降りた
2000年前とは違い随分発達した地上が作られていた・・・
エスパー値を下げてロバートを探すのは難しい
しかも自分の身体がドコに有るのかも探せない
これじゃロバートの元にたどり着くのはイツに成るのやら・・・・
なんて事は何も心配していない
俺が何もしなくてもすでにロバートは俺が地上に降りたのを察しているハズだ!!
だから俺はのんびりと現在の地上を探っていた・・・俺の時間は動き出した
そろそろ迎えが来る・・・
さて俺は1番最初に何を話そうか少しだけ以前と変わらず
ロバートを困らせる策を考えていたのだが考えがまとまる前に
目の前にロバート居る
相変わらずの優しい笑顔で俺を包み込み甘やかす素振りを見せた
だから俺は言葉よりも優しく包まれる感覚の方を選んだ
ロバートは俺を包み込みそのままワープした・・・ソノ場所は書庫だった
ロバートは一冊の大きな本の中へ俺の遺伝子を移し変えた・・・
・・・・・・どれ程の時間が流れただろうか・・・俺は眠っていたらしい・・・・・
目覚めて初めてロバートの身体に抱きついた
全ての感覚が戻っていた
どうやら俺は自分の身体に戻った様だそしてロバートに抱き思った
ロバートはいつも俺を甘やかす
だが俺はロバートに抱きしめられて戻るべき場所に戻ったのだと実感した
そして・・・・・
もう二度とこの手を離したく無いと改めて思い知らされた
俺の心はそれほど迄に深く乾きを癒すこの手を求めていたのだと
全ての乾きが癒されていくのを感じながら思った・・・・・
母さんはもっと沢山の不安を抱えて居るのだと
オヤジだけでは無く俺を含む子供達の事を考え無いハズが無い
だから母さんは俺を見つけ言ったのだ早くロバートの元へッと・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー続く〜〜〜〜〜