そこにわたしのための席があると
教えてくれたのは誰だったか
探しても探しても
見つからなかったひとつの席を
ようやく見つけたのは
いつだっただろうか
ある晴れた日
光を受けて
さりげなく置かれていた
ひとつの椅子
それが何よりも
大切な場所になったのは
いつからだったか
おすわり と
やさしく声をかけてくれたのは
誰だったか
そこにわたしのための席があると
教えてくれたのは誰だったか
探しても探しても
見つからなかったひとつの席を
ようやく見つけたのは
いつだっただろうか
ある晴れた日
光を受けて
さりげなく置かれていた
ひとつの椅子
それが何よりも
大切な場所になったのは
いつからだったか
おすわり と
やさしく声をかけてくれたのは
誰だったか
むかしむかし
土を蹴っていた
手は
いつしか
地上から離れた
そして自由になり
その分だけ少し哀しく
孤独になった
だからなのだろうか
祈りのとき
結び合わせるように
手と
手は
つなぎあおうとする
ただぬくもりを
感じるために
結び合おうとする
時が止まってしまったかのように
冬の薔薇のまわりは静か
うっかり落とした時計の螺子が
氷の上をすべっていく
つぼみはずっとほどけない
約束の時まで
