新・アドリアナの航海日誌

詩と散文、日記など。

原稿用紙

2012-12-26 21:47:05 | ポエム


君の律儀さが好きだ
まるで狂いのない
どこまで行っても同じの
何というきまじめさ
ああ だけど
君を見ていると
斜めに文字が書きたくなる
君が好きだというのに
ぼくは君からはみ出したくなる
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白い家*日暮れどき               

2012-12-23 19:58:09 | ポエム

昼間の鎧をはずした
あなたの背中を眺めている
そこは
わたしの見知らぬ場所でもある
窓からの西陽が斜めに射していて
あなたの肩をオレンジ色に染めている

―― 枯葉の落ちる音さえ聞こえてきそうな静かな静かな日暮れどき

あなたを捉えているものは何なのでしょうね
窓・屋根・樹木・風
たぶん街でもなく 空でもなく
そのもっともっと向こう
地平線の彼方
もしかしたらバビロンの河のほとり
または記憶という海の
底の底
一番深い暗闇に沈んでいる廃船のこと
おそらくわたしにはいつまでたっても見えないもの

――限りなく遠いところにひとは行くことができる

パタン!
そそっかしい私が
うっかり小さな音をたてると
あなたは振り向いて笑う
どうした?

そしてあなたは
あっちからこっちへと
戻ってくる
短い旅を終えた人のように
少し疲れて
けれどいつも
このうえない笑顔で

白い家の日暮れどき
わたしとあなたの永遠の距離のはざまに
世界はやさしく傾(かし)いでいる
引力の法則にわずかにはずれた角度で

空にはつつましい星の電灯が灯りはじめた
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冬の薔薇2

2012-12-23 18:47:51 | 写真・日本
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冬の薔薇1

2012-12-23 18:47:20 | 写真・日本
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あの頃チャンネル(2009年12月20日~2009年12月26日)

2012-12-22 23:43:58 | 翻訳詩
あの頃チャンネル(2009年12月20日~2009年12月26日)
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夜の劇場2

2012-12-19 21:43:20 | photo






1をラップ加工しました。
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夜の劇場1

2012-12-19 21:42:30 | photo
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あの頃チャンネル(2009年12月13日~2009年12月19日)

2012-12-18 22:55:56 | 翻訳詩
あの頃チャンネル(2009年12月13日~2009年12月19日)
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つぼみよ

2012-12-18 22:16:38 | ポエム
  
                              

冬の終わりの 霙降る日の 裸の桜の並木の 痩せた枝の ひともとの桜のつぼみ
 霙に打たれながらなお かすかに膨らんだ そのやわらかなつぼみ お前はどこ
に隠れていたのだろう 長い間どうやって生きていたのだろう 霙に声もあげず 
うなだれることもなく しんしんと積もる雪の日には どうやってしのいだか ど
んな不眠があなたの夜を訪れたか 乾いた夏には どんな飢えがあなたを苦しめた
か 誰に見られようと思うこともなく ただ膨らみ 咲いて 散る ああ 何事も
うまくいかない日の 悲しく自己を思う日の 霙降る日の ひともとの桜のつぼみ
 再生という 眩しい煌きは いつも こんな薄汚れた霙の中に 隠れて 静かに
炎を上げているのか 通りすぎる濡れた犬 車の喧騒 人の別れ 霙のように降り
続く 果てしない人生の無秩序の中で なんというしなやかさ 確かさ ささやか
な営みの うまくいくとかいかないとか それがなんであろう 霙に手が凍えよう
と 冬の終わりの 霙降る日の 暗く重い空の下に 君よ いま生きんとする ひ
ともとの桜のつぼみよ。
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花火と猫

2012-12-16 10:00:06 | ポエム
花火と猫


月夜に
燕尾服を着て
ステッキを持って
踊っているピエロがいたら
きっとそれが僕
猫の僕
空高く赤や紫や黄や緑の
大きな輪を作って
花火が上がっている
人間たちのざわめきやどよめきや
歓声の落ちてこない原っぱで
別の生き物たちの祭
猫の僕
持っていない
やわらかい寝床
持っていない
どんな囲いも
月の影を踏んで
揺れる草原で
揺れる地上で
僕たちの別の影を作る
酔っぱらった影
食いはぐれた影
花火の上がる空の下で
だけど
僕らは描く
気ままに
生きたいままに
僕らの宝物の影
自由を

コメント (2)
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