新・アドリアナの航海日誌

詩と散文、日記など。

野いちご摘み歌

2024-07-28 22:15:12 | ポエム
「野いちご摘み歌」

牧人の角笛が
風に乗って聞こえる
草原を吹く風が
娘たちの歌をはこぶ

  君を思って
  千年の時が過ぎた
  私はもう年老いた
  愛しい君はどこに

野いちごを摘みながら
娘たちは歌う
風にゆれる髪 光る汗
篭には赤い野いちごの実

  君を待って
  千年の時が過ぎた
  季節は移り人は去り
  愛の日々はどこに

牧人の角笛が
山並みにこだまする
草原を吹く風が
遠い昔の歌をはこぶ
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雨の歌

2024-07-28 22:13:54 | ポエム
「雨の歌」

ラフマニノフの調べが
雨の音に混じる夜

ひとり小さな部屋で
君を思い過ごす

こんな夜は雨がいい
こんな夜はひとりがいい

ラフマニノフの調べが
立ててゆくこころの波

レモンソーダのグラスに
ランプの灯が揺れる

昨日までの夢を
雨が消していっても

こんな夜は雨が好き
こんな夜はひとりが好き
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ダスキン・ホフマン先生のことば

2024-07-25 05:39:13 | 今日の気になることば
詩は
『今・ここ』と永遠をつなぐこと」
「ことばの奥・世界の奥に行けるのは詩である」
「詩は虚無から意味を回復する」
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詩は

2024-07-14 08:52:55 | ポエム

詩は

詩は
見えない星のひかり
真っさらな地図帳
いつかなくした部屋の鍵 
道端にひっそりと咲く草の花

詩は
夏の野に唸るミツバチ
泣きつかれた子どもの涙
遥かな窓辺に灯るあかり
うっかり飲み込んでしまったコケモモの種

詩は
戒律のない伽藍
空を自在に泳ぐ魚
傷口に貼られた血止め草
そして
あなたとわたしを結ぶ神の手
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