ピーマンの木が二本
朝顔が五本
その上に
雨が降っている
子どもたちは雨の中でも
傘をさして遊ぶ
黒板に7の文字が書けない子
りんごの数だけタイルが並べられない子
父親のいない子
給食費の払えない子
みんな同じ
学校で決められたおそろいの黄色の傘
傘の中で笑っている
ピーマンの木が二本
朝顔が五本
生命には水が必要
子どもたちにも
大人たちにも
屋根にも
日曜日の雨が降っている
月曜日の雨ではなく
金曜日の雨でもなく
日曜日の家と
日曜日の子どもと
日曜日の大人に
雨 雨 雨
話しかける雨
笑う雨
夢見る雨
歌う雨
考える雨
静かに土に沁みる雨
黄色い傘の中
子どもたちは同じ二本の足だけになって
日曜日の相談をしている
生命には水が必要
30年くらい前に書いた詩です。たまたま見つけたのでアップしました。