フランシス・レイもバッハもメンデルスゾーンも
あなたとは聴かなかった
ゴッホもマリー・ローランサンもモジリアニも
あなたとは見なかった
何と長い時間を別々に過ごしたことだろう
大都会の交差点の赤信号で止まったとき
となりにいたかもしれないあなた
わたしが駅のベンチに腰掛けていたとき
通り過ぎた電車のなかにいたかもしれないあなた
カップに淹れたてのコーヒーを注ぎ
ミルクを入れる
木洩れ陽をあびながらひとりで飲む
百年もないいのちの途中で出会い
そしてうまく触れ合えずに過ぎてゆくひとよ
フランシス・レイもバッハもメンデルスゾーンも
あなたと聴きたかった
ゴッホもマリー・ローランサンもモジリアニも
あなたと見たかった
コーヒーのように
こころはカップのなかには入りきれない
それは木洩れ陽のように
たださんさんと散らばるだけなのかもしれない
フランシス・レイとバッハとメンデルスゾーンが流れて
いつ知らず人生はやさしく通り過ぎる
あなたとは聴かなかった
ゴッホもマリー・ローランサンもモジリアニも
あなたとは見なかった
何と長い時間を別々に過ごしたことだろう
大都会の交差点の赤信号で止まったとき
となりにいたかもしれないあなた
わたしが駅のベンチに腰掛けていたとき
通り過ぎた電車のなかにいたかもしれないあなた
カップに淹れたてのコーヒーを注ぎ
ミルクを入れる
木洩れ陽をあびながらひとりで飲む
百年もないいのちの途中で出会い
そしてうまく触れ合えずに過ぎてゆくひとよ
フランシス・レイもバッハもメンデルスゾーンも
あなたと聴きたかった
ゴッホもマリー・ローランサンもモジリアニも
あなたと見たかった
コーヒーのように
こころはカップのなかには入りきれない
それは木洩れ陽のように
たださんさんと散らばるだけなのかもしれない
フランシス・レイとバッハとメンデルスゾーンが流れて
いつ知らず人生はやさしく通り過ぎる