サブロー日記

随筆やエッセイを随時発信する

何時の間にやら !

2007年12月18日 | Weblog
 何と長い間 日記も書かずに滝の開発に没頭、仕事に疲れるとパソコンも本を読むのも何もする気が起きない。やっとこの寒さで今年は仕事終いにして、マウスを握る気を取り戻した。これからは色々と発信したいと思っています。

 今年の夏はアユ漁がさっぱりだったので、昇竜の滝の整備に休みの全部を使って全力を尽くす事ができた。が、まだまだこれからが大変である。後10年にはしあげたいと思っている。今年は雑木林の中の紅葉がよく見えるように切り開き、観光客に観賞してもらえるようになった。又道も大分よくなった。今年は紅葉もすごく良く照り例年にない美しさであった。しかし雨ガ降らず、主谷の水は尽き果て、隣の谷より引いてきた水にやっと滝の命をつないでいる現状です。
 今年中にもう一つしておかねばならないのが、山小屋の屋根を葺く萱を刈って置かねばならないことが有った。これは滝の下にお客さんが休む休憩所に雨よけの屋根を作り、その屋根をトタンで葺いては似合わない、杉皮も剥いでみたがなかなか難しい、では萱で葺くのが一番と思いきや、この萱がどこんまーれには無い。先日銅山への道造りの際、第三駐車場まで歩いて帰る道にこの萱を見つけていた。これこれと思っていたので、これを今年中に刈らんと枯れ過ぎる,ひやいけんど刈って置かねばと先の日曜日に刈りに行った。丁度前日役場の色々の団体よりの年末年寄りの一人暮らしの者にと赤飯が配られていた。これ幸い弁当にもってこいのご馳走。それに缶ビールとつまみを添えて現場へ。
 萱は思っていたように長くのび かれた穂先が北風にさらされていた。この荒地には10年ほど前県か国かが、この谷底まで立派な公園のような道を作って呉れていた。しかし造っただけで後は何の手も加えなく放りぱなし、これはおそらく町が管理するべきものであったであろうが、利用する人も少なく荒れ放題になっている。 サブローは数年前この道を降りてアマゴ釣りに行ったことがあるので知っていた。今日こそこの道にそって萱を刈ろう、一石二鳥になる。と勇んで刈り始める。ここは道を造った土砂捨て場であったので地味がよくクズのカズラが萱にからみなかなか刈りにくい、其処此処にこのくずの根を猪のほった痕がすざましい。ついさいきん掘った後もある。やがてこの道沿って萱を10束くらい刈り進んでいると、その時である。突然すぐ下で猟犬と猪の格闘が始まった。荒々しい猪の鼻息。犬の噛み合う様子が手に取るように聞こえる、犬は二、三頭のようである。この格闘の塊の音が上に向かって来ている。これはやばい!いまにもそこに猪が現れそうな。手負いの猪は危ない。又猟師に猪と間違えられては?サブローはとっさに鎌も何もそこ等に放り投げ薮の中を必死に上の道路にはみ上がり車に飛び乗った。そしてドアを閉めやっと安堵のむねをなでおろした。 落ち着くと恐いもの見たさガラス戸を少し開けて外の様子を伺ったが猪の来る様子も無く猟師の鉄砲の音も無い。よし猪が犬を逃れ独り上がって来たら丁度昨日柄を挿げ替え研ぎ澄ました柄鎌がある。こまい猪ならこれで頭を、叩き割ってやろう、太いやつじゃったら又この車に飛び乗ればいい。サブローは数年前池川の猟友会の会長さんが用居から赤薮の上までトラックに下敷きしたままヒコヅッて来た猪を銃で撃った。その猪は誰の物になるか、追い出した猟師の物か、これを引いたトラックの運転手の物か、これを撃った会長さんの物か。ラジオで放送した事を思い出した。さてこの柄鎌で討ち取ったとしたら、追い出してきた猟師のものになるろうか?それとも我輩の物になるろうか?心配だ。これが捕らぬ狸の皮算用というもの。恐る恐る先ほど刈り開けた道に構えたが、谷底まで静まりかえっている。暫くすると旧銅山道の上の方で猟師らしい話声が聞こえたが姿は見えなかった。やれやれこれで真昼のひとときの夢も覚めんぬ。きを取り直し今度は道路端の萱を刈ることとした。夕方目的の萱を積んで滝の上に運びガードレールに掛け来年に備えた。


 後になったが三好さんところに男のお子が生れたそうでお目でとうございます