音信

小池純代の手帖から

日々の微々 230826

2023-08-26 | 歌帖
  230826


  ・白露三首・

 
    草露白*くさのつゆしろし

  草の葉をころがる露のかがやきのなんともひかりとも濁りとも


    鶺鴒鳴*せきれいなく

  おいそこの若いのそこの小綺麗な若いのセキレイみたいな若いの


    玄鳥去*つばめさる

  去り際になにかを告げてゐたやうなふりして棄ててゐたのか鳥影
                                  鳥影:とりかげ










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日々の微々 230823

2023-08-26 | 歌帖
  230823


  ・処暑三首・

 
    綿柎開*わたのはなしべひらく

  うづくまりうづくまりしてまもり来し思ひの果てをなほなほつつむ


    天地始粛*てんちはじめてさむし

  焦がれこがれ逃れのがれてあめつちの間をしづけく雨はしづくす
                      間:あひ



    禾乃登*こくものすなはちみのる

  萌ゆるかのはた崩ゆるかの虚空にあふるる雲の量をこそ見め
   萌:も     崩:く   虚空:おほぞら    量:かさ









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