音信

小池純代の手帖から

日毎の音 蜂 210107

2021-01-07 | 日記

  蜂


 生涯はただ一匙の蜜に尽く蜂一匹のなりはひ果てて


 求むるは花粉にあらず蜂の羽根蜜よりほかの蜜を求めて


 ぶんぶんの羽音をたててとほざかるはちみつ色の蜂腰 Vespa


 ホバリングするかに見えてすこしづつ進む蜜蜂ならぬ密雲


 花々の淡き記憶をくりたたねくたくた垂るる蜂蜜の帯






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