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読書の森

誰が生活費を稼ぐのか その2

父は勘は頗る良い人でしたから売れる商品を見分ける目は持っていたと思います。ただし実直さ継続性には欠ける人だったと思います。

不幸な事は全く価値観の異なる女性を愛して妻にしたことでしょう。
自慢話でごめんなさい。母の実家は豊臣の世から続く庄屋の血筋で父の先祖が徳川家康の御世に今の兵庫県から来た戸田の殿様の御典医だったそうです。
豊臣と徳川と言うだけでなく、農業を旨とする家系と商業を重んじる家と言う大きな違いがありました。
母は「商人は狡いから嫌い」と言ってたけど、父は農業が嫌いで物を売るのが好きだったのですね。


現代は農商兼ねて仕事をする時代です、つまり農家さんが金儲けが好きと言っても全然抵抗感ないですよね。
ところが「武士は食わねど高楊枝」と言う美徳?を私は頭の端っこに置いてしまった。苗字帯刀を許された古い庄屋、誇り(ホコリ?)高い家の話を聞かされ過ぎてしまったようです。

戦後間もない現実はとても厳しくて、プライドなんてかなぐり捨てて、それぞれ女性ばかりの両方の一族は皆必死に働いて生活せざるを得なかったのです。
戦後間もなくは、女を売る仕事以外に職を得るのは至難の技だったそうです。
母は昔財務局で働いた経験を活かして大垣税務所の臨時職員となり、朝鮮から帰国したおばの一人が工場長の妻となって、工員達の食事などの世話をして下のおばが工場の会計事務を勤めました。

父の仕事がニッチもサッチも行かず神戸で職探しをしてた時、私は祖母に連れられおば達が働く工場に続く家で住み始めます。いつか三人で神戸で住める事を夢見て慣れぬ東京暮らしを始めたのです。
が、父の夢も破れて東京で職探しする事になったのです。

私の股関節症の治療の為下の弟妹がいませんので、結果的に最後の血筋となってしまい、子供のいないおば達と祖母、両親が全部保護者になります。
それぞれ全然価値観違うので、大変困ってしまい、私は逃れ場として読書の世界に入り浸ったのですね。

その結果、私結構勉強では良い成績を上げた訳です。
そこで、やっと父親の仕事は落ち着いても商売の波が多くて、母は私がキャリアウーマンになる事を夢見るようになったのです。

母は医療保険事務士の資格を取ったりして頑張ってました。
自分は時代のせいで仕事を辞めざるを得なかったが、一流の大学さえ出れば相当の給料が貰えると思い込んでた節があります。
ところが私の入った大学は学園紛争の闘士も多いし、1969年四大卒女子しかも身体障害者の就職は公務員以外かなり難しかったです。公務員試験が又難関です。
おば達全て働いていますし母も働く希望がいっぱい(勿論男性に比べると凄い低い)、彼女たちは大卒女子の現状など全然知らない。
その頃障害者雇用などございません。

プレッシャーが相当強かった、こんなガチャガチャに縛られるより家庭の主婦の方が自由じゃないか?と思ったんですけど、、。

まあお陰で30代で障害者雇用でコンピュータ会社の正社員となれました。
高校時代もそうですが出身大学でもその会社でも身体障害者としてのイジメは全然受けてません。
若かったので見かけも軽く見えたし、時代も良かったし、それにどこも非常にリベラルな方ばかりがいらして、助かったとしみじみ思ってます。

父親は家庭事情、身体の見えない大切な部分の奇形、で自分の思う仕事の半分も出来なかったようです。とても可哀想だったと思えます。
それに比して条件も良かったし努力もしたのでしょうが、両親のどちらの家の女性も働くのが大好き、家事も(育児も)と仕事をバキバキやってました。給与は働く割には全然低かったですがね。
なので、私は仕事において向き不向きはあるでしょうが、男女の能力の差は全く無いと思ってます。私自身がじゃなくて周りの女性が全部そうだったからです。

別に女性が上に立つ事が重要でなく、普通に子を産める女性が仕事と家庭の割合を上手に配分出来るそんな社会体制が今必要かと思えます。
大金持ちになる夢以上に自分でも働いていける、年齢や性別、障害、性格条件に関わらず合う仕事に巡り会え、見合った報酬を得る幸せは何者にも代え難い、と考えます。
ちょっと遅すぎですが、私も今適職が欲しいです。

本音を述べて少しホッとできました。誠に勝手ですがここしばらく休ませていただきたいです。
皆様お元気でいらしてくださいませ❣️




読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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