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読書の森

成美堂出版『図解 世界史』

古本屋で面白い本を見つけるのが好きな私、その中の一冊をご紹介します。

本来は世界の歴史は史実を時系列で考えるものと考えますが、気が遠くなるほど昔の事を論じる時、事実か事実でないかの確たる証拠を掴みにくいです。
そこで色んな学説が出てきますよね。

世界的に物不足の現代、相互利益の為にどう動くか?というのが最大の課題と思いますが、今もそれぞれの国の思惑は異なるようです。
このような問題をマクロな視点で客観的に捉えるのが狙いの一冊だと感じます。

世界の勢力変遷図が冒頭にあります。

紀元前、ご存知の四大文明が誕生します。
一眼で分かるように、アメリカ大陸には無く、北半球の温暖な地域、特に豊かな大河の近くで発祥してます。
温暖と言っても、赤道近いエジプトもあります。当時の気候が今より乾燥の少ない涼しいものだったのかも知れません。
ちなみにインドで釈迦によって仏教が誕生したのが紀元前5世紀です。

次に紀元後1、2世紀でローマ帝国全盛期の時代。私が思うに紀元後はキリストの死後ですから、その当時のローマ帝国に昔のエルサレムありきで後に又エルサレムとなった、になります。この時ローマ帝国はキリスト教を公認します。
元から住んでたユダヤ教を信じる民族はどうなったか?ここから彷徨えるユダヤ人になったのでしょうか?
と考えると、悠久の歴史がまさに宗教によって今に続いてる印象はあります。

7~8世紀イスラーム教が誕生。瞬く間に世界制覇します。教祖のムハンマドはカリスマ性の強い方で、西アジア全体に大きな影響力を与えました。ここからアラブ帝国が出来たのです。

13~14世紀モンゴル帝国がユーラシア大陸の大部分を支配する時代。ヨーロッパは神聖ローマ帝国が支配してます。
この時日本は鎌倉時代なんですね。
平城時代平安時代の日本人は仏教が中国に普及した隋唐の時代、盛んに交易してます。しかし武家制度が確立した鎌倉時代、モンゴルと戦ってます(元寇の役)。

モンゴル民族は非常に戦闘的だったと思われます。これを率いるテムジンことチンギスハンは凄い方で歴史上世界最大の国を作りました。しかしこの空前絶後のカリスマの死後、モンゴルは急速に滅んでいきました。
このモンゴルの台頭によって西側の国が東洋に興味を持ち、マルコポーロが東方見聞録を著します。


マルコポーロの出現で「大航海時代」に入ります。船で行き来した為に世界の動きが活発になった15世紀頃です。
中世から近世への変わり目で、大体今の世界の形になってきます。
日本は戦国時代が明け江戸時代に入ります。

さらに18世紀、アメリカ合衆国の誕生で世界は大きな変化を遂げます。

世界の行き来が活発になると、産業革命後経済的に豊かになったヨーロッパ諸国が、アフリカやアジアを植民地してきます。

強国によって世界が色分けされてる帝国主義の時代です。

ところが第二次世界大戦後、独立運動が盛んになります。民主主義が行き渡ってきたのですね。それと同時に各国相互の利益の為グローバル化も進んできます。


本当にざっと世界の歴史を振り返ってみて私が気がついたのは、1、古代文明の発祥地は同時に宗教の発祥地である、2、古代文明の栄えた国が近世以降植民地化したケースが多い。
という事です。
そして今も燻る宗教上の争い、及び大国を脅かすテロは今非常に問題になってます。


この本の最後に地球温暖化が全人類が向き合う課題とされてます。

又2020年秋の今後の世界の展望について上の図が示してあります。かなり大胆な史観を持った歴史本でした。
個人的には悠久の歴史を経てきたかっての大国が再び目覚めた時代と今の時代を捉えてます。

こたび戦えば、人類滅亡を招きかねない時期、極めて優秀な一人の指導者の出現よりも、それぞれの人が一つの目標(人類の生き延びる道)を目指した方が幸せに続くと思います。
大きな事言ってしまったけど、これが思ったより長く生きられた私の願いです。





読んでいただき心から感謝です。ポツンと押してもらえばもっと感謝です❣️

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