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読書の森

凍てつく夜

オミクロン株が加速度的に増え始めた頃、ネットスーパーで食糧を買い込み、当分巣ごもり出来るつもりでした。
お陰様で当面長閑かに暮らせる筈だったのに、何故かウズウズの虫が湧いてきます。

「外に出たい!外の空気が吸いたい」
多分これが自分の不幸の元(?)なのでありましょう。大人しく家で体操などしてれば、人目に立たずとも済む訳。
ムズムズが起きると、自分の歳も今杖をつく身である事もコロリと忘れてしまいます。
オミクロンさんは人を選びませんから、容赦なく襲ってくださる、な事承知しててもダメ。

そこら辺の暖かそうな衣類を着込んで一番厚いダウンジャケットをはおり(ぷっくり膨れた)、帽子をかぶって、手袋して、いざ出陣。





私、暑いのには物凄く弱いですが、寒いのは強い、はっきり言って、とても外の空気は清々しくて気持ち良いのです。生き返った気がします。

バスの窓から見る暮れ方の空は次々と色を変えて美しいし、贅沢な気分になれます。

折角街迄出たのですから、と知らないビルを見ると未だバーゲンをやっております。安いので有名なお店。ところが、入ったら周りに同じ年頃(おばあさん)はいません。勤め帰りの若い子ばかりでした。
気がつくと私の手編みの帽子は毛糸がほつれてみすぼらしげ、なのに全然気にならない、私も図々しくなったと嘆きながら(?)お得なインナーを買っちゃう。

外に出ると、夜空は憂(浮?)世のつまんない事を忘れさせる美しさでした。
冬だし、風が強いのでよけいに澄み渡ってます。

一通り満足してすぐに帰りのバスに乗ります。チラチラと光る街灯、ヘッドライトの流れ、うっとりする程綺麗!
こんなつまらない事でワクワク出来る私は凡そバカだと思うけど、誰も見てないし、思い切り夜の景色を観る事が出来ました。

そう言えば亡母もやたらと「お月様が綺麗!」とか「星がきれい!」とか歳なのに言ってたな、と思い出した。
母は歳の割に若くてオシャレでありました。
反発して「年齢相応の落ち着きがないとか、苦労が身についてない」などバカにした事が悔やまれます。
こういう形で、母は自分の置かれた辛い状況を乗り超える夢を持ち続けていたのだ、と実感出来るからです。


帰宅して、お昼寝に作っておいたバナナケーキをいただく。いつもよりずっと美味に思えました。

こんな事で満足してる哀れな老婆でございます(全然心に無い言葉だけど)。
どうかどうかオミクロン様、見逃して下さいませ!

読んでいただき心から感謝いたします。

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