読書の森

春一番



中年以上の方ならば誰でもご存知のキャンディーズ。
70年代の主に男の子の胸を熱くさせたアイドルグループである。
ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃん、等身大の女の親しみ易さが受けたのだ。

78年に「普通の女の子宣言」をして解散し、幸せな結婚をした。
ただし、スーちゃん、ランちゃんは再び芸能界に復帰して、演技派女優になる。

私から見れば年下の可愛い女の子達で、彼女たちの醸し出すアットホームな雰囲気が好きだった。
特にスーちゃんのフンワカムードが好みだったが、残念な事に今は故人となられた。

世の中の流れが激し過ぎて、私はどっぷりキャンディーズモードに浸りたくなってしまう。

さて、彼女たちの歌った「春一番」。

「雪が解けて河になって流れていきます。
、、、、、、、
もうすぐ春ですね、恋をしてみませんか」

という歌詞がある。



以上は、昨年中途半端な形で終わったブログ記事である。

昨年の今頃は切迫しきった日常だった。
たった一人残った肉親の葬儀、役所での後始末、その他諸々、のしかかる重荷から、心だけでも逃げたくて「春一番」が浮かんだのだろうか?
母の死の直後に「恋をしてみませんか」とは、おおよそ罰当たりで、不謹慎なブログである。
恥ずかし過ぎる。

多分、この時の私の脳裏には亡くなった筈の母は居たのだろう。
「あらあら」と口をポカンと開けていたかも知れない。
そして、この母がいる為にまともな恋も出来ないと嘆く反抗的な娘も自分の中に存在したのだろう。

キャンディーズの唄を男の子だった友達も愛していた。
昔の友達に
「又歌いたいね。恋の気分が欲しいな」
と言える日を、私は夢見ていたのだろう。

今の私の歳に多分母は恋の思い出がたっぷり生きて、昔の恋人から年賀状を貰っていた。
いつまでも若い娘の様なところがあって、私は反発してた。
母と私は21歳しか年が違わない。
まるで姉妹の様な気分でいた。

この可愛い母を苦しめたという悔恨に、後になるほど苛まれ続けて私はすっかり疲れてしまった。
一挙に年齢を重ねた気分である。もう二度と「春一番を歌いたいね」とは言えない。

どうしようもない人生や恋はいつの世にもある。
一度タイミングを外すと、チャンスは残酷に逃げていく。

それでも、又春はやって来るのだ。


(╹◡╹)♡
春1番どころか史上最も早い台風が来たこの正月、恋をするのに季節が早過ぎる事は有りません。
ときめく心のある内に暖かい春1番に吹かれてみませんか?
とコメント入れたら高齢者の防犯のCMが入ってしまったのですが、これ若い人に宛てたメッセージの積もりですよ。

(2019/1/2)

読んでいただき心から感謝いたします。

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