羽田空港の管制システムのトラブル

　昨日の羽田空港で起こった、管制システムのトラブルの原因が報道されました。

　機器の電源装置に、何らかの異常が起こって非常用電源装置のバッテリに切り替わっていたのに、それに気づかずに運用を続けていたので、バッテリが切れるまで誰も異常が起こっていることに気が付かなかったのが、大きな原因でした。

　非常用電源装置に切り替わった時点で、きちんと警告が出ていれば、対策も行えたのですがその警告のアラームが出なかったのか、とにかく誰にもシステムの異常な状態が伝わらなかったのが今回の非常にまずい点でした。

　無停止を要求される重要な機器には非常用電源設備を付けることは常識ですが、それもただ付いているだけでは宝の持ち腐れであるということが今回の事件でよくわかりました。

　トータルでみたときの、システムの運用がいかに大切かがわかります。主電源が停止して、バッテリで動作しているという大変異常な状態を感知できなかったのは、二重、三重の意味でシステムに大きな問題があることがわかります。

　ですから、ITシステムを構築、運用する際にも設備面にばかり気を取られてしまいがちですが、それをいかに運用していくかについての気配りが大切であることを、あらためて考えさせられました。