後日、お知り合いの方が関宿に散策にお見えになるということで、お昼の休憩をぜひ会津屋で、と進めてくださったのです。
その翌日、予約のご本人からお手紙が届き、そこには予定している街道の散策プランと、それにかかるであろう時間が書かれた紙が同封されていました。
けれど、その時間の配分で歩いて回るには、どう考えても配分に無理があるところがありました。
時間の配分に無理があることを説明するためには、実際に自分で歩いてみるべきだなあと思いました。
次の休み、私は東の追分の脇に車を止めて、街道を西へと歩いて行きました。
そして、コースに書かれていたとおり、関神社から延命寺を回って町並み資料館へと進みました。
正直、関宿に生まれ育ちながら、街道をゆっくり散策したことも、資料館に入ることもありませんでした。
改めてのんびりと歩いた街道はとても新鮮で、中でも初めて入った資料館はとっても素敵でした。
中庭の奥の蔵、裏に続く細い渡り廊下、細くて、急な二階への階段・・・。
どれもが、子供のころに遊びに行った、街道の中の友達の家々にそっくりで、なんとも懐かしいのです。
資料館の二階には、町並み保存の前の街道の町並みが一軒一軒、写真に撮られていました。
そこには、私が生まれ育った理容室だったころの会津屋がありました。
そしてその写真の下には、現在の会津屋の姿がありました。
比べてみるとやはり今の姿がとっても素敵で、母の頑張りに改めて尊敬の思いがこみ上げました。
予定のコースを歩ききった私は、所要時間を記入しなおした予定表をファックスで送りました。そしてその後、実際にそのプランでこのお客様に後日関宿に散策にきていただくことができました。
実際に歩いてみると、予想以上に時間がかかるところもあり、そして予想以上に魅力的な場所もあり、今回街道を歩いたことは、自分自身にもよい勉強になりました。
そして昨日、散策をしていただいた「海音寺俳句の会」の幹司様よりお手紙を頂きました。
そこには、関宿散策中に作られた皆さんの俳句が集められていました。
新蕎麦や 旅籠の名残り 継ぐ親子
中にはこんな句もあり、なんとも胸がいっぱいになりました。