「会津まで行きたい」
その思いだけで旅立った旅行だった。
とりあえずこの八重たん切符を通販で買っていたのでどうしても有効期限内に使いたかった というのもあったんだけどね。
計画段階では雪予報なんて出ていなかったのにあんなに降りなさった…。首都圏大混乱の翌日、「目的は達せないかもしれないけど行けるところまで行こう」と開き直って出発。
超久々の始発(4時半)で都心を出発。とりあえず計画したのは、
宇都宮線を北上して宇都宮→日光線で日光→東武で下今市経由で鬼怒川→AIZUマウントエクスプレスで会津若松
という経路。
しかし前日はJRも東武も日光と都市部は行き来ができず、まさに「陸の孤島」と化している状態だった…。
不安を抱きつつもとりあえず宇都宮へ向けて出発。都心でも雪は残っているが北上するにしたがってさらに量が増えていく。
栗橋に到着したらやや間があって「強風のため栗橋-古河間は徐行運転」とアナウンスが。(思い返すと、この時点で栗橋から乗り換えて日光に向かえばよかった)
なんだかんだで宇都宮まで到着。乗った電車の遅れですでに乗り換え予定の日光線は行ってしまったはず。
butしかし!
日光線は鹿沼から先がもうどうしようもなくどっちにしろ日光には行けないらしい…。
とにかく会津には行きたいのでさっきの栗橋まで戻るハメに。そう。もちろん
古河-栗橋間は徐行運転ですよ~。
素直に栗橋から乗っていれば2時間近く短縮できていたけど…。とりあえず急ぐために鬼怒川までスペーシア。
スペーシア初めて乗ったけど内装はよくも悪くもオサレな感じやね。
butしかし!
スペーシア車内で「鬼怒川温泉から北は、野岩鉄道の区間は運行しているが、
会津鉄道の区間は除雪作業中のため運転見合わせ。さらに
マウントエクスプレスも運休」とアナウンスが。
オワタ
とにかく行けるところまで行きたいので鬼怒川温泉駅で待機。
周囲はいかにも「温泉地ですよぉ!カネ取りますよぉ!!」って雰囲気に溢れていてなんかアレ。
雪が都心よりはるかに多く風が吹くと周囲が全く見えない状態に。
そして、この鬼怒川温泉駅で悲劇が起こるとはこの時思っていなかった。
いちおう、会津高原尾瀬口駅までの電車は出ているのでそれに乗車。
車内にも行先表示があるんだね。
野岩鉄道の区間は、ほとんどトンネルで、「景色が見たいな~」って思った頃にパッと景色が現れるというパターン。正月に乗った大糸線のJR西日本の区間と共通しているが、この路線は景色があっという間にまたトンネルに戻ってしまう点。
トンネルをくぐる毎に「そこそこ雪」が「けっこう雪」に変わっていく。川端康成の『雪国』の冒頭、「トンネルを抜けると~」のくだりを思い浮かべる。蛇足だけど、
「夜の底が白くなった」という表現はおそらく世界中の誰にもできないだろう。
そんなこんなで野岩鉄道と会津鉄道の境目、福島県に入ってすぐの会津高原尾瀬口駅に到着。
雪が溜まっている量とホームの高さがほぼ一緒なんですが。
これじゃあ電車も動けないよ…。
よくディーゼルじゃなくて電化区間でいられるなぁ と思ったけど、よくよく考えればトンネルが多いからこそ架線一本で賄えているのかも。
ツララもこんなに長い。
「会津田島駅まではバス代行だけど、そこから先は除雪中。いつ通れるかは知らん」と大本営発表。
行けるところまで行く旅なので会津田島駅まで行く。
今まで鉄道の旅は何度もしたけどバス代行は初めて。
バスの車窓で見たけど会津高原尾瀬口から会津田島までは除雪がほとんど手付かず状態。しゃーない。
道すがら、県の要請で出動したらしき重機が何台も見えた。雪国は大変や。
会津田島駅。会津鉄道の中心地で、ここから北は非電化区間。
何もできましぇん。
「北へ行く路線は一時間程したら通れるようになるけど保証はできん」と掲示があった。
さて、
重大な決断だ。
北へ行くことはできそうだが帰れるという保証はない。でも今日来た目的は北へ行くこと。最悪でも郡山まで出て新幹線という手もある。でも郡山までたどり着けるのか?
悩みに悩んだ挙げ句、
今回はここで引き返すことにした。
ここから先に行くために来たので残念。覚悟はしていたとはいえども…。
「退くも勇気だ!」と
某アシタカが言っていたが、コヨーテさんは退くのも敢えて危険を承知で進むのもどちらも相当な勇気を持たなければできない行為 と思っている。
先に行けないのならば手前を楽しめばいいのだ。
とりあえず駅の周辺を散策。
「SL展示場」と書いてあったので行くと…
シートかかってて見えねぇよ!
SLに関しての説明看板も読めん!
なんだかんだで楽しんだ。
とりあえず鬼怒川で買ったコレで昼飯。
除雪作業はたえず行われていたがそろそろ終わりそうだった。そうこうしているうちに会津若松行は出発。
尾瀬口行バスは来ねぇ。
さらに30分は待ってようやく引き返すバスが。
あーこれはリベンジしたいわ。また天気のいい日に来てやる。
野岩線に戻ってとりあえず道の駅がある湯西川温泉駅へ。
この駅はトンネルの途中にある駅で、非常に珍しい構造。
いい雰囲気。
これだけしか来ません。
道の駅は駅と併設。閉店ギリギリだったけどなんとかおみやげ買えた。
♪足~湯♪(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)
せっかく温泉地に来たからね。
おみやげ買ったし帰るか…と新藤原駅まで来た段階で事件が起きた。
「小佐越駅付近で列車が倒木と衝突、全然復旧できるかわからん」
マジかよ…
不通区間は下今市から鬼怒川温泉。とりあえず「新藤原から鬼怒川温泉まで行ってバスで下今市まで運ぶ」とのこと。「寒いでしょうから車内で待っていてください」と気づかってもらった上に自身は寒い外でいろいろ連絡に駆け回っていた野岩鉄道の職員のみなさんはコヨーテさん的には大きくポイントアップ。
そんなに待たずに鬼怒川温泉までの電車が来たので乗車。
鬼怒川温泉駅に到着するとすでに大混乱。俺ら野岩線から来た客は少なかったけど、鬼怒川の客や野岩線の方へ行く客…。みんな不安しかなさそうな顔だった。
さらにいろいろと駅員に質問しても「わかりません」の一点張りで、挙げ句「バスが来るかさえわからん」と言われた。
勘弁してくれよ…。
まず、ヨコの連携が上手くいっていないよ。
ウチの会社と同じ!
こんな駅員じゃ話にならん とバスを待つも一向にバスは来ない…。会津田島駅では「あと○分くらいで来る」と逐一伝えてくれたのに一切情報なし!
寒い中待ったのに駅員は暖かい室内でぬくぬくと…。
さすがにコヨーテさんもキレたかったけど、寒さと空腹でできなかった。
クッソ寒いなか一時間以上待ってバスが来たけどこの時の駅員の対応もちょっと許しがたい点があった。詳しくは書かないけど。
下今市へのバスはみんな無言だった。持っていきようのない怒りを、それぞれなんとかしていようとしていたのだろう。
ただ、コヨーテさん的にはバスの車窓から見た景色に「中華料理・ゼンジー南京」という店を見つけて(心の中で)大ウケしたしもた。
下今市駅に着いても東武日光線は動いていないので混乱は続いていた。ただ、JRの日光線は動いていたし、下今市の駅員は応対がしっかりしていたので、鬼怒川温泉駅程の混乱はなかった。
(下今市の駅員が、鬼怒川温泉の駅員について「あそこはダメですね」って言っていたんだけど、このことはみんなにはナイショだぞ!)
一日で東武鉄道に対する信用はがた落ち!
帰宅できたのは日付が変わってから。もう疲れたという気持ちしかありません。
やりたいこと、ほとんどできなかった。マウントエクスプレスで会津若松まで行って、会津若松からトロッコ列車でアレして、男鹿高原駅でもアレしたかったのに…。帰ってきた駅のポスターが全てを代弁してくれた↓
おみやげ(一部)
戦利品