幼い頃の私にとって、旅行は家族の一大イベントでした。父は忙しい人でしたが、母が旅行好きだったこともあり、母がお金を貯め計画を立てて年に1〜2度泊まりがけで旅行へ出掛けてました。
結婚後は、夫の実家に帰るのが旅行。夫は仕事第一の人だったので、まとめて取れた休みは、実家の両親のためにあったのでした。だから我が子は、夫と私の実家以外に泊まりがけの旅行をしたことがありません。
彼と付き合い始めて、旅行は"一大イベント"等という特別なものでなく、単なる日常の延長にある楽しみに変わりました。
彼は年に何度でも楽しみたいから、1泊何万もする宿泊先は選びません。豪華な食事もありません。時には宿泊先なしで、船や夜行バスの中で仮眠を取り、早朝現地に着く場合もあります。
つい先日の旅行は私達史上最悪の旅行でしたが、
「まあ、そんな日もあるわな」
とお互い気になりません。何度でも行けるので、最悪な状況すら面白がっています。
ただ今回の旅行後に彼が初めて、
「ちょっと疲れたかな」
と話したことにショックというか一抹の寂しさを覚えました。何せ本当にタフで私よりずっと体力のある人でしたから、やっぱり同じように年は取れないんだなあと思ったのです。
彼はいつも
「アキは僕の最後の人で生きる支えだよ」
と言います。以前は大袈裟な人!と思ってましたが、実年齢を知ってから大袈裟ではなく心底思ってくれてることが理解できました。
そう、一緒に過ごせる時間はそんなに長くないのよ。
何やかんやあった1年でしたが、お互いどちらかが死ぬまで(ボケるまで?)続く関係なんでしょうね、恐らく。