カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

ハウスコンサートを開こう!

2011-08-04 07:34:53 | クラシック音楽

毎月「カンナリゾートヴィラ」のファンクションホールで満月の夜に贈る「満月からの贈り物」ハウスコンサート。沖縄の人たちに、このホテルを知って欲しいとの想いから始めた。

もう一つのきっかけは、クラシック演奏者に演奏の場を提供しよう、活躍の「場」を提供しようと考えた。その時に、うちのホテルの食事がとっても美味しいことから・・ディナーを召し上がって頂いて・・コンサートを楽しんで頂こうと。隠れ家での席数制限でのハウスコンサート。演奏者の息遣いが聞こえるほどの距離で、チェロ、ヴァイオリン、ピアノなど楽器から広がる音色だけでなく演奏者の指使い、表情、衣装など・・普段なかなかそこまで見ることはない・・・。だから演奏者の緊張感は高い。

木造りのホールは天上も高く、音響に優れていて演奏者には好評。しかし、本物の音を求められる。誤魔化しがきかない。

シェフ達も、毎月のディナーに頭を悩ましながらも最高の料理を目指す。演奏者のリハーサルなどを目にしながらメニューに知恵を絞っている。美しい音色に負けない料理を作る。盛り付けも半端ではない・・・。

一つの思いがこうして広がって来てやっと3回目のハウスコンサートが8月18日に開かれる。少しづつ人気が出てきた。口コミで広がっている。質を問うことを追求したい。だから、琉球交響楽団からもソリストやミストレスクラスの演奏者が来演する。今月は弦楽四重奏。美しい音色に酔うひと時を楽しんで頂きたいと願っている。このホテルでしか味わえない珠玉の時間。

いつの日か・・ご縁があるといいですね!美しい時間を共に過ごせることを願っております。

*写真は、6月のハウスコンサート


音楽とストーリーテラーの融合

2011-07-23 08:22:03 | クラシック音楽

昨夜、沖縄県佐敷市のシュガーホールで行われたコンサート「城への招待」に行ってきました。演奏は、ヴァイオリンの与那嶺理香さん、ピアノは大城英明さん、クラリネットが澤村康恵さん、それに俳優の篠井英介さんでした。2部のF.プーランク:「城への招待」(ジャン・アヌイの戯曲による付随音楽)ストーリーテラー付きヴァイオリン、ピアノ、クラリネットのためのトリオは、演奏とストーリーテラー共に息がぴったりで誰も突出することなくバランスの良い舞台でした。

篠井英介さんの俳優としての個性が光りながらも、演奏とのバランスが絶妙で、映像が目に浮かぶようで演奏家と俳優のコンビネーションが音楽の魅力を引き立て、ひかえめながら演技の絶妙さが印象に残りました。早速、終演後、与那嶺さん、大城さんとご挨拶をさせて頂きましたが・・演出を手がけた与那嶺さんのこの舞台に掛けた情熱を強く感じました。演出のために半年を掛けて、篠井さんにラブレターを出して出演依頼を行うなど・・・加えて、F・プーランクの「城への招待」の原作原本をヤマハから借り入れるなど徹底したこだわりがありました。昨夜の舞台は、日本でも始めての演出だったとの事。これまでは、音楽の演奏だけかストーリーテラーのみか、ジョイントでの複合舞台は始めてだったと聞きました。

それにしても、目の付け所といい、演出といい素晴らしい舞台でした。久しぶりに素晴らしい舞台に触れて心地良い気分で帰宅しました。佐敷市から宜野座村まで1時間半の道のりでしたが全く気にならない素晴らしい経験となりました。与那嶺さんの今後の活躍がとっても楽しみです。来年、「車椅子の花嫁」ユニバーサルウェディングショーを一緒にプロデュースしましょうとお願いをしてきました。

今年11月6日にカンナリゾートヴィラで開催するユニバーサルウェディング「車いすの花嫁」ブライダルショーは、障がい者の方々とプロのモデルさんたちと沖縄のトークタレント比嘉周作氏とで開催します。ホテルの役割は、宿泊施設と言うだけでなく複合的な社会性を持っても良いのではと思っています。


クラシックの凄さをあらためて・・

2011-07-17 07:41:24 | クラシック音楽

イベントを控えて台風の行方が気になる1週間でした。昨夜は、満月コンサートも盛況の中無事に終了しました。感動のひと時でした。與那覇理香さんの演奏は、ヴァイオリンの弦から生み出される音が何倍にも広がり時にやさしく、時にかなしく、美しくホール中に響き渡っていました。なかでも、宮古民謡トーガニ・アヤグ(編曲:與儀亨)はまるで宮古島の空に浮かぶ満月や風に揺れるさとうきび畑が目に浮かんでくるようで涙が出て仕方がありませんでした。優しく切ない宮古島の風景が心の中いっぱいに広がって来ました。與那嶺さん、感動をありがとう!

そして、大城英明さんのピアノ演奏ではガーシュインのサマータイムとW.ボルコムのヘビのキッスは、ピアニシモの柔らかくも切ない響きから、フォルテでは、大波のような迫力は、これがクラシックかと思えるほどのパワーとリズムには、驚きから呆然と見つめる自分がいました。大城さんに感謝の言葉が見つかりません。ありがとうございました。このコンサートのために行われたリハは10時間を越えていると思います。1時間の演奏のために費やす時間が今日の感動に結びついたんだと思います。

音楽とディナーの競演には、料理長も2回目を迎えましたが・・一流の演奏に負けない料理を演出する苦労は並大抵ではありません。メニューを考え、素材を探し、選ぶ・・そして、美しく盛り付ける・・まさに勝負です。この絶妙なバランスをお客様に堪能していただく為に1ヶ月に1度が精一杯です。

担当する私達も満月コンサートが終わるとホッとします。来月は、8月18日(木)琉球交響楽団シリーズで弦楽四重奏です。来月はVOL3.また、素晴らしい演奏を聞かせて頂けると心から待ち遠しい思いです。


満月からの贈り物

2011-07-15 07:41:37 | クラシック音楽

昨夜は、宜野座村天空に大きな満月が浮かんで輝いていました。月の輝く夜はなんとも神秘的な感じがします。沖縄のこの小さな村に住むようになって自然との距離がぐんと近づいた様に思えます。夜明けを告げる鳥達の歌、太陽が昇りきると共に起こるセミの大合唱、風に乗ってくる海の匂い、波の打ち寄せる音、夕暮れ時のさわやかな風と赤く染まった空、星のきらめきと月の輝き。自然との暮らしは、人を穏やかにしてくれる。沖縄の人々の懐の広さや穏やかな人柄はきっとこの自然との共生で生まれてきたんろうか?

台風の発生から接近まで毎日、TVのNewsで確認する。台風は直接生活に影響を与える大きな存在。まして、イベントは、中止、延期とぎりぎりまで判断に迷う。まして、夏の沖縄特有のスコールなどは、もう笑ってしまうしかない。

明日は、カンナリゾートヴィラで「満月からの贈り物」演奏会が行われる。昨日、ピアニストの大城英明さん、ヴァイオリニストの与那嶺理香さんがリハに来られました。3時間以上も練習する姿には感動を覚えました。プロとして、お客様に素晴らしい演奏を聞いていただく為にホールの音の響きを何度も確認しながら最高の演奏を目指す姿は、まさにプロフェッショナル。カンナリゾートのファンクションホールは、床、壁、天井全てが木で作られています。音響は、反響があまりに敏感で、時には突き刺さると感じるくらいに音が入ってくる。自然の素材が持つパワーなのかも知れない。

そして、明後日の日曜日は、宜野座村ハワイアンフラフェスタ!うむ~台風!雨天の場合は、ファンクションホールで行うことになるが、海を望むプールサイドでどうして実現したい!台風にお願い、もう1日遅れて来て欲しい!皆さんが一生懸命練習して来た晴れ姿を見て欲しい!


薬膳味噌

2011-07-07 07:01:36 | クラシック音楽

昨日、沖縄で100年の歴史を持つ「松藤」と言う泡盛を作っている崎山酒造の奥様が来館されました。その折におみやげで頂いたのが「薬膳味噌」。沖縄では、この薬膳と言う素材が多く商品化されている。薬膳味噌の原材料は、玄米、はと麦、黒ゴマ、黄大豆、黒千石大豆、沖縄自然海塩を使用して作られている。健康ブームの中で、沖縄では自然体でこのような天然素材での食材が豊富にあるように感じる。医食同源と言う言葉がこの土地には根付いている。昔ながらの製法や素材の活かし方がしっかりと守られている。しかも、「カチューユー」と言う沖縄の伝統的な食べ方が紹介されたいた。かつおぶしと薬膳味噌にお湯を注ぐだけと言うシンプルな食し方。このような伝統や食文化を見るとき、この土地は、人間が人間らしく生きるにはとても最適な環境にあるのだとつくづく感じる。

最近、「ケアツーリズム」言葉がとても気にかかる。沖縄でホテルの仕事をしている時に、おもてなしやサービス品質と言う事はどこのホテルにおいても実現されているけれど、人にやさしいホテルのあり方となると難しい。美味いものを食べていただくとか美食だとかスウィーツだとか限りなく魅力的フレーズが溢れている中で、粗食で健康的な食事を提供すると言うことはなかなか実際には提供できていない。

良く費用対効果という言葉があるけれど・・1万円の食事と言うと豪華で素晴らしい高価な素材が使われているコース料理のイメージがある。これは、身体に良いかと言うと別の問題。むしろコレストロール値も高くて、身体には決して望ましいものではない。しかし、高いお金を払って食べるものは、豪華なものでなければならないし、美味しいものでなければならない。と考える。料理長と話をする機会が会ったとき、ホテルは美味いものを作って出す事が使命だと・・・だから、低カロリーの病院食ではお客様は満足しないと言う。果たして、そうだろうか?厳選された素材で、本当に身体に良いものを提供することもホテルでの責任や使命ではないかと思う。もちろん、美味しい事に越した事はない。500グラム1,550円の味噌を使うと提供できる料理の価格は決して安くはならないけれど・・きちんと説明があり、この食事が健康を支えてくれるものであると理解されたら、お客様も満足して頂けるのではないだろうか?カンナリゾートヴィラのイタリアンももちろん琉球懐石も和食も薬膳料理としてお出ししているものがある。これからの食事を考える時にホテルのあり方も変わってくるのではないだろうか?