10代の頃、本ばかり読んでいたくせに学校の勉強にはまったく身が入りませんでした。興味のある分野と興味のない分野の成績の違いといったら自分でもビックリするくらい。
20代の頃は、仕事や勉強よりも恋愛で忙しく、学んだことといえば美容や恋の駆け引きばかり。そのくせキャリアウーマンに憧れて真似してみたり。
そんなこんなでしたが、20代で両親を続けて亡くし、『自立しなければ』とやっと目が覚めて仕事に専念。その甲斐あって30代はとんとん拍子でキャリアアップ。とても充実していましたが、遊ぶ時間も仕事以外で何かを学ぶ時間もありませんでした。
頭のどこかで「40になったら自由に生きよう」と漠然と思っていたりもしました。
そして40歳になり、それまで勤めていた会社を辞め、厨房の仕事に就きました。調理師免許取得のため東京の神田で2年勤務。調理師学校を卒業していない場合は、実務経験2年がないと試験を受けられないのです。無事に合格して、料理人と結婚して離婚して(笑)、自分の店を持つために東京の銀座にある個人経営のレストランに勤務。そしてコロナに突入。
コロナ禍で新しい店や古い店が続々と閉店していくのを見て、「自分の店を持つ前でよかった」と本気であのときは思いました。もちろん知恵と根性と実績でコロナを乗り越えたお店も多々ありますが、私にそこまでの力量や才覚があるとも思えません。「運が私の味方をしてくれたのね」と感謝さえしたものです。
40歳を過ぎて、つまり会社を辞めてから、一人で東南アジアをよく旅しました。東南アジア各国のなんともいえない熱気が私の心を奮い立たせてくれていたように思います。アメリカ在住の彼とも知り合い、「よし、本気で英語を学ぼう!」と心に決めました。
あれから数年が経ちます。
銀座の店を辞めて、アメリカと日本を行き来し、NY在住の先生に現地では対面で、日本ではオンラインで英語を習っているにも拘らず、まったく上達しないのは何故でしょう?
年齢のせい?それとも漠然と勉強しているから?
きっと、学び方や目標の定め方が違うのでしょうね。
この時間だけは集中して学ぶ。という時間をあらためて見直す必要があるのかもしれません。いきなりネイティブのように話そうと思っても無理な話ですしね。
そして仕事はといえば、現在はホテルの調理場で調理補助をしています。住み込みではなく、勤務しているホテルとは別で、不動産屋さんから賃貸でホテルの一室を借りているのですが、その家賃の高いこと高いこと。さすがは別荘地。
一年は今の職場で調理の基本を学ぶつもりなので、その月謝だと思うことにします。
そして英語の勉強も続けないとね。
それから本もたくさん読みたい。自然に囲まれ、鳥のさえずりを聞きながら、ホテルの自室で、別荘地のカフェで、とても恵まれた環境ではないか。と今は思っています。
『子曰く、朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり』 なーんてね。