先日、ある人の訃報が私のもとに届きました。
そのある人とは、お世話になった人というより、おおいに迷惑を被った…という言い方のほうが私には正しいような人物でした。そしてその人の訃報を聞いて、同じようにその人から迷惑を被った女友だちのことを思い出しました。
彼女とは仕事先で知り合い、お互いに離婚した直後ということもあり意気投合。
ちょっとやんちゃな両親に育てられた私に比べて、お嬢様育ちの彼女。さらに元バレリーナという華やかさ。「ずっとバレエひと筋だったから仕事らしい仕事をするのは今が初めてなの」と語っていた彼女。
一緒にあちらこちらのカフェでいろいろなことを語りあいました。
上の画像は彼女のお気に入りの銀座のカフェ。この頃の彼女は「私は恋愛至上主義だから」と言い切り、フランス人の男性モデルと付き合っていたはず。
ある時は中目黒のスヌーピーカフェに行ってみたり。
「子供の頃からバレエのためにずっとダイエットしてきたから、今更ダイエットなんて真っ平」と言い切り、「日本の男は体型にこだわりすぎ。だから日本人の男なんてご免なのよね」という潔さ。
そしてまたある時は、「私は猛禽類が好きなの♡」とフクロウカフェに連れて行かれたりもしました。
自主的には絶対に行かない場所です。(笑)
ホー。
カフェの人の話によると、フクロウは夜行性だから昼間はずーっとウトウトしているとか。何番目かのフクロウなんてほぼ眠っていました。
確かによく見ると可愛いかもしれません。
母が飼っていた猫のスコティッシュホールドに少し似ています。そういえばこの時にも私がそう言ったら、「スコティッシュは耳が小さいからそう見えるだけだよ」と彼女に一刀両断されたっけ。(笑)
それでもこの日の彼女の楽しそうな姿は今も鮮明に記憶に残っています。
こちらも一緒に行った世田谷のカフェ。
ペーパーの日付が2017年となっています。
確かこの時、彼女は足を骨折して松葉杖をついていたはずです。この頃の彼女は少し情緒不安定で、「何をやっても上手くいかない」と不機嫌なことが多かったのですが、今思うと更年期だったのかもしれません。
ある冬の日、青山のレストランでムール貝をたらふく食べて、表参道のスタバでお茶していたときのこと。
私の何気ない一言が彼女の逆鱗に触れ、というよりも、私の何気ない一言が彼女をおおいに傷つけたらしく、この日を堺に彼女とは疎遠になりました。
その後もLINEで近況報告はときおりしていましたが、実際に会ったのはこの日が最後になってしまいました。
そして先日、
「久しぶり。◯◯さん、亡くなったらしいよ」と私がメールをすると、「久しぶり、その名前懐かしいね」とすぐに彼女から返信がきました。彼女は今はジュエリーの仕事をしており、すっかりキャリアウーマンが板についている様子。
「ところで今はどこの国にいるの?これ日本からのメール?」という彼女の一文に思わずクスリ。当時の私はといえば毎月のようにあっち行ったりこっち行ったり。その度にオシャレな彼女へのお土産に困っていたものです。
こちらは彼女のお宅で一緒に食べたイチゴ。
アスティエの食器とアンティークが大好きな彼女。
今は恋愛とも無縁とのこと。メールだけのやり取りでしたが、彼女は以前よりもどこかサバサバとしていました。ほんの数年だけれど、それでも月日は流れ、お互いに自分なりの生き方を見つけたのだと、あらためて思いました。
これが年内最後の投稿になります。どうぞ良い年をお迎えくださいませ。