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FOLFIRINOX療法

2015-09-17 20:02:21 | がん

最近では大相撲の九重親方や俳優の庄司永建さんなど、膵臓がんを発症する人が増えています。「FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法」は、2013年12月に健康保険の適用が承認された、膵臓がんに対する新しい治療方法です。ここでは、FOLFIRINOX療法とがん保険・医療保険について説明します。

◆4種類の抗がん剤を併用

FOLFIRINOXは薬剤の名前ではなく、4つの抗がん剤を併用する治療方法のことです。膵臓がんは早期発見が困難な場合が多く、膵臓がんと診断された患者のうち8割が、病気が発覚した時には手術不可能なくらいに進行していると言われます。FOLFIRINOX療法は、そのような手術が困難な患者に対して効果がある治療法として期待されています。

FOLFIRINOX療法では、オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナートカルシウム、フルオロウラシル──の4つの抗がん剤を併用します。2週間を1クールとして点滴治療を行います。

◆FOLFIRINOX療法の効果と副作用

これまで膵臓がんの第一選択の抗がん剤として用いられてきたのはゲムシタビンという薬剤でした。ゲムシタビンは奏効率(薬の有効率)が9.4%で、1年生存率は20.6%でした。これに対しFOLFIRINOX療法は、奏効率31.6%、1年生存率48.8%というデータが出ており、高い効果が期待できることがわかります。

ただし、FOLFIRINOX療法は副作用も大きく、自覚症状があるものだけでも、吐き気・嘔吐、食欲不振、便秘、下痢、口内炎、末梢神経障害、疲労感、発疹、脱毛、手足症候群、発熱──などがあります。このため、FOLFIRINOX療法では副作用に関する治療も並行して行います。

なお、切除不能な膵臓がんの患者のすべてにFOLFIRINOX療法が行われるわけではありません。65歳以上の患者については慎重投与とされているほか、特定の疾患や症状、体質を持っている場合は適用できないことがあります。

◆FOLFIRINOX療法とがん保険・医療保険

前述のとおり、FOLFIRINOX療法は2013年に健康保険の適用となったため、高額療養費の対象にもなります。また、がん保険および民間医療保険についても、FOLFIRINOX療法は入院給付金の対象になります。

がん保険と医療保険の両方を契約している場合は、両方から入院給付金を受け取ることができます。これは、がん保険と医療保険が別々の保険会社でも、同一の保険会社でも同様です。

次に、FOLFIRINOX療法による副作用の治療に関してです。医療保険の場合は、これについても入院給付金の対象になると考えられます。通院給付金は「退院後の所定期間内の所定日数内の通院」であれば、やはり、対象になると考えられます。

では、がん保険の場合は副作用の治療は給付対象になるのでしょうか? がん保険は「がんの直接の治療を目的とする」という前提があります。このため、FOLFIRINOX療法の副作用対策の投薬も保険の対象になります。ただし、副作用に対する治療だけを単独で行う場合には、対象外となるようです。

FOLFIRINOX療法とがん保険のまとめ

FOLFIRINOX療法は激しい副作用を伴う治療法です。副作用に対する治療費などを考えると、がん保険は「実損てん補」型よりも「定額払い」型の方が望ましいと言えそうです。

実損てん補型の場合、治療費のみを補てんの対象とし、手元に現金が残りません。定額払いの場合、治療を受けた都度、請求して給付金を受け取ります。受け取った現金は何に使おうと自由ですから、交通費や副作用の治療にあてることもできるわけです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150917-00010004-mocosuku-hlth