The Society of Alternative Medicine from 1987/代替医療学会

Structured Micronutrient:US PAT/TH FDA(Med), JP FDA(Food)

オピオイドによる米国の死者数は2017年には4万7000人、オキシコンチン鎮痛剤の依存症患者数は170万人

2019-04-03 16:32:41 | がん

「オピオイド」の画像検索結果

世界有数の大富豪サックラー(Sackler)家からの寄付の受け取りを断る方針を、有名美術館が相次いで発表した。背景には、慈善家として知られる名門一家の資金源の中心が、米国で大きな問題となっているオピオイド系鎮痛剤であることに対する懸念がある。

 米経済誌フォーブス(Forbes)によると、サックラー家の純資産総額は推定130億ドル(約1兆4500億円)以上で、一家は膨大な資産を元に、芸術や教育分野に多額の寄付を行ってきた。

 サックラー家の物語は、アメリカンドリームをまさに体現している。アーサー(Arthur Sackler)氏、モーティマー(Mortimer Sackler)氏、レイモンド(Raymond Sackler)氏の3兄弟は、第1次世界大戦(World War I)後にニューヨークにやって来たユダヤ人移民の子としてブルックリン(Brooklyn)に生まれた。兄弟そろって精神科医師になり、1952年に経営不振だったニューヨークの製薬会社を買収し、パーデュー・ファーマ(Purdue Pharma)を設立した。

 パーデュー・ファーマが開発したオピオイド系鎮痛剤「オキシコンチン」は大人気となり、同社は製薬業界で最大手に上り詰めた。だが、オキシコンチンは依存性が非常に高く、オピオイド危機を招いたとして、現在1000件以上の訴訟を起こされている。

アメリカにおける薬物過剰摂取死亡(2014年)[21]
ヘロイン オピオイド 10,863 23.1%
コカイン 精神刺激薬 5,856 12.4%
オキシコドン オピオイド 5,417 11.5%
アルプラゾラム ベンゾジアゼピン 4,217 9.0%
フェンタニル オピオイド 4,200 8.9%
モルヒネ オピオイド 4,022 8.5%
メタンフェタミン 精神刺激薬 3,728 7.9%
メサドン オピオイド 3,495 7.4%
ヒドロコドン オピオイド 3,274 7.0%
ジアゼパム ベンゾジアゼピン 1,729 3.7%

■慈善活動に力

 パーデュー・ファーマの成功で財を成した3兄弟は、慈善家としても名をはせるようになった。

 米国のハーバード大学(Harvard University)、コーネル大学(Cornell University)、コロンビア大学(Columbia University)、エール大学(Yale University)、タフツ大学(Tufts University)、英国のオックスフォード大学(Oxford University)にその名を冠した施設やスクールがあるだけではなく、世界の二大美術館、仏パリのルーブル美術館(Louvre Museum)とニューヨークのメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)にもサックラー家の名が付いた巨大な展示スペースがある。

 このような慈善活動から、美術研究家トーマス・ロートン(Thomas Lawton)氏はアーサー氏のことを「現代のメディチ(Medici)」と呼んだ。

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■寄付の拒否

 サックラー家とパーデュー・ファーマは切っても切り離せない関係にある。

 爆発的な人気が出たオキシコンチンが開発された時に同社の代表を務めていたのはモーティマー氏とレイモンド氏だった。アーサー氏は、オキシコンチンの製造が始まる10年近く前の1987年に、モーティマー氏は2010年、レイモンド氏は2017年に亡くなった。

 米テキサス州オースティン(Austin)在住のレイモンド氏の息子リチャード(Richard Sackler)氏は、民主・共和両党と保守系シンクタンクに献金をしている。

 一方、モーティマー氏の7人の子どものうち数人が、パーデュー・ファーマの役員として経営に参加していた。そのうちの一人、モーティマーD.A.(Mortimer D.A. Sackler)氏は1995~2015年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)に対し総額900万ドル(約10億円)を寄付している。

 だが、グッゲンハイム美術館は先月、サックラー家との関係をすべて絶ったと発表した。同美術館は「(サックラー家からの)寄付金をこれ以上受け取る予定はない」と明言した。

 英ロンドンの「ナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)」も先月、サックラー財団(Sackler Trust)からの寄付金100万ポンド(約1億4600万円)の受け取りを取り消した。同国の美術館グループ「テート(Tate)」もそれに続いた。

 サックラー財団も先月、英国での寄付活動をすべて保留すると発表している。

■相次ぐ訴訟

 米コネティカット州に拠点を置く非上場企業のパーデュー・ファーマは1995年にオキシコンチンの販売を開始した。オキシコンチンによる収益は300億ドル(約3兆3400億円)以上ともいわれている。

 米疾病対策センター(CDC)によると、オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取(処方薬、ヘロイン、麻薬性鎮痛薬フェンタニル)による米国の死者数は2017年には4万7000人に達した。同じ年のオキシコンチンおよび類似の鎮痛剤の依存症患者数は170万人に上っている。© MANDEL NGAN / AFP 米首都ワシントンで、博物館「アーサー・M・サックラー・ギャラリー」の展示を見る来場者(2019年3月26日撮影)。

 パーデュー・ファーマおよび同社の役員3人は2017年、オキシコンチンによる依存の危険性を偽っていたとして米司法省に提訴され、6億3450万ドル(約700億円)の罰金を支払った。同社は現在も連邦裁判所で約1600件、州裁判所で数百件の訴訟を起こされている。

 報道によれば、パーデュー・ファーマは先月27日、オピオイドまん延の原因は同社にあるとするオクラホマ州との裁判で、2億7000万ドル(約300億円)を支払い州と和解した。

 同社の役員として最後まで残っていた親族は先月に退任した。

 サックラー家の広報担当者は今のところ、一連の問題についてのコメントを拒否している。

 

https://www.msn.com/ja-jp/news/world/オピオイドで財を成した「現代のメディチ家」-美術館が寄付を拒否/ar-BBVywjm?ocid=spartanntp#page=2

 

オピオイド(Opioid)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%89

 

アメリカを揺さぶるオピオイド危機①(山岸敬和)

https://www.spf.org/jpus-j/investigation/spf-america-monitor-document-detailpost_4.html

 

オピオイド鎮痛薬の特徴と種類について

https://municipal-hospital.ichinomiya.aichi.jp/wp-content/uploads/2018/07/201803.pdf