周りでは、大勢の子どもたちが、四小のことなど知らぬげに、ワーワー言いながら
遊んでいます。夢は不思議に思いました。
”こんなにたくさんの子がいるのに、四小さんとお話しているのはわたしだけ?
みんな、何で四小さんに気づかないのかなあ。みんな、四小さんとお話できたら
楽しいのに。”
すると、四小の声が聞こえました。
「夢ちゃん夢ちゃん、何してるの。もう、始業のチャイム鳴ったわよ。」
夢がぼーっとしているので、心配になって声をかけたのです。
四小の声に、はっと我にかえった夢は、
「わぁ、大変。ほんとだ、もう誰もいなくなっちゃった。四小さん、またねー。」
そう言って四小に手を振りながら、急いで教室の方へ走っていきました。
四小はそんな夢の様子を見て、
”うふふ、これから楽しくなりそうね。”
と、つぶやきました。そして、うれしそうに体をブルッと震わせ、一瞬大きく光って
消えていきました。